人にはそれぞれ好みの食べ物があると思いますが、
我が家の場合、僕はどちらかというと肉料理や麺類が好きで
嫁さんはというとこれがもうはっきりしていて和食、特に魚が好きなのです。
そして揚げ物などダイエットの敵となる料理などは存在すら無いものと
されてきました。
ですから結婚してからというもの僕が好きそうな食べ物が食卓に上ることは
ほとんどありませんでした。
犬嫁日記#22:「天ぷらの揚げ方」の巻
タイトルでもう分かった方もいらっしゃるでしょうが、我が家で
天ぷらという料理が食卓に上った事はいままで一度もありませんでした。
結婚してから一度だけ、
「天ぷらが食べたい。」と言った事があったのですが、
嫁:「天ぷらを揚げる蓋のついた鍋がないから作れないでしょ?」
と言われ、
僕:「そんなもの無くても普通の鍋で作れるよ。」
と言うと、
嫁:「私は天ぷらなんてものには全く興味がないから
天ぷら専用鍋があれば作る気が起きるかもしれない。」
と言うので、仕方なく西友で天ぷら用の鍋を買って帰ってきたのですが
それから5年間一度も使用されたことはありませんでした。
しかし、つい先日衝撃的な光景を目にすることとなったのです。
家に帰ると、嫁さんが例の天ぷら鍋に油を入れているので
僕:「もしかして、天ぷらを作ろうとか考えてるの?」
嫁:「うん、そうだけど。」
僕:「どうしてまたそんな事をしようと思ったわけ?」
嫁:「なんでそんな大げさに言うのよ。私が天ぷら揚げたら
なんか悪いの?」
僕:「だって今まで一度も作ったことないよね?」
嫁:「うん、だけど今日は仕事先でとてもおいしい塩をもらったから
ちょっと作ってみようと思ったの。
揚げたての天ぷらにこの塩をつけて食べたら、めっちゃおいしいと思うわ。
とりあえず納得して、天ぷら作りを手伝うことに。
が、しかし何かがおかしい。
僕:「ねえ、この天ぷらさ、なんかおかしくない?」
嫁:「なに?わたしの天ぷらに文句でもあるの?」
僕:「ほら、だってころもが…こうフワッてならないよ。」
嫁:「うーん、そういえばそんな感じもするよね。なんでかな?」
僕:「これどうやって作ってるの?」
嫁:「なに疑ってんのよ!ちゃんとやってるよ!
溶き玉子につけて…」
僕:「うん。」
嫁:「小麦粉をまぶして…」
僕:「うん。」
嫁:「さっと揚げれば…あれ…。」
僕:「うーん。これは天ぷらというよりは、フライだね。」
嫁:「なによ!文句があるならあなたが作ってよ!」
僕:「そうするけど、とりあえず出来てる天ぷらが覚めないうちに
食べててよ。」
溶き玉子に小麦粉を入れ、混ぜてころもを作り、
残っている野菜を揚げてみる。
僕:「ねえ、出来たよ!すごいすごい、ほらほらこれが天ぷらだよね!」
嫁:「へえーほんとだ。確かに天ぷららしく揚ってるね。」
僕:「じゃ、食べようか。」
嫁:「せっかくだけど、さっきの分でお腹一杯になったからいらない。」
僕:「え?」
嫁:「ごちそうさま。」
苦難は次回へ続きます。犬