おかげさまで犬嫁日記も#20まで辿り着きました。

言い換えれば20もの苦難を乗り越えてきた自分に拍手を贈りたいです。


             犬嫁日記#20:「先回る」の巻


これは、以前からなんとなく感じてはいたのですが、

僕がなにかアクションをおこすと、必ずそのちょっと前に嫁さんが同じ行動を

していることがよくあるんです。


例えば歯磨き。


僕が歯を磨こうと洗面所に行くと、嫁さんが歯ブラシに歯磨き粉を塗っているところだったり、


例えばお風呂。


僕が風呂に入ろうと風呂場に向かうと、中から鼻歌が聞こえてきたり、


例えばアイスクリーム。


僕が買い置きしていたアイスクリームを食べようと冷蔵庫に向かい、

ふと横のゴミ箱を見ると、見覚えのあるアイスの残骸が打ち捨てられていたり、


例えばインターネット。


パソコンの起動ボタンを押して、立ち上がるまでのほんの数十秒間席を離れて

戻ってみると、そこに嫁さんが座ってネットサーフィンしていたり、


例えば就寝。


夜更かしをしている嫁さんを横目で見ながらベッドに入ろうと寝室に行くと

いつ追い越されたのか嫁さんが先に寝ていたり。


これは絶対何かある!


そう感じた僕はある実験をしてみました。


TVを見ながらソファーで寝ているふりをして油断させておいてから、

ダッシュでベッドに走り込んだのです。

すると、負けじと追いかけてくる嫁さんの姿が!

僕:「お前、やっぱり先回りしてたな?!」

嫁:「今頃気づくなんてあなたらしいよね。」

僕:「なんでこんなことをする?」

嫁:「なんか悔しいからでしょう。」

僕:「別に悔しくないだろ。」

嫁:「え、なんで?」

僕:「なんでって、えっなんで?」

僕:「別にどっちが先に寝たって構わないだろ?」

嫁:「構う!」

僕:「ヘンな奴だなあ。」

嫁:「隙あり!」


ベッドに潜り込む嫁さん。


嫁:「おやすみ。」

僕:「…」

嫁:「そんなとこに突っ立ってないで電気消してよ。」


次の日。

僕はもう一つ実験をしてみました。

嫁さんによく見えるようにしながら

掃除機を押入れから引っ張り出し、コードを伸ばしてコンセントへ。

スイッチを入れようとした瞬間、嫁さんを伺う僕。


しかし、嫁さん無反応。


僕:「なんで先回って掃除とかしないんだよ?」

嫁:「それはあなたの仕事でしょう?」

僕:「…」

嫁:「掃除のじゃまになるから外出してきます。」

僕:「ちょっと待て!」


嫁:「あと、洗濯物のカゴ置いといたから、外に干しておいてね。」

僕:「俺も外出しなけりゃいけないんだけど…」


嫁:「私が先に外出するの。じゃもろもろよろしく!」

                           苦難は次回へ続きます。犬

眠る女