こんなつたない日記でも、「楽しみにしています」と言ってくださる方がいらっしゃって、

この場を借りてお礼を申し上げます。今後とも宜しくお願いします。


犬嫁日記#16:「バイオリズム」の巻


年末です。またこの時期がやって来ました。と言っても、時の経つのは早いものでとか

そういう事を言うつもりはありません。

我が家にとって、年末年始は危険なのです。


まず、クリスマスは全く問題ありません。問題がないというよりも興味がないという方が

正しいのかもしれません。毎年さっさと終わってしまいます。

しかし、この後が問題です。

嫁:「ねえ、年末が来てるよね。」

僕:「いや、そんな事ないんじゃない?」

嫁:「いや、来てるよ。」

僕:「気のせいじゃない?」

嫁:「慌ただしくてイライラしてくるわ。」

僕:「別に何もしてないじゃん。」

嫁:「私がじゃないでしょ、世間がでしょ。慌ただしいわ。」


分かりにくいですが、嫁さんは年末年始が苦手です。最初の頃は分かりませんでしたが、

どうもそうらしいと、ここ何年かで気づきました。

嫁:「正月なんて来なければいいのに。一年の締めくくりとか、一年の始まりとか言われたら、

なんかヨーイドン!で走らされるみたいですごいプレッシャーを感じるわ。」

分かりにくいですが、嫁さんは正月に走らされているようです。


三年前の正月に嫁さんの実家に行った時は、二日目にこんな事が起きました。


嫁:「ねえ、なんか一人になりたいんだけど。」

僕:「そんな事言われても、ここ君の実家なんだしどうしたらいいの?」

嫁:「悪いんだけど、帰ってくれる?」

僕:「東京にって事!?」

嫁:「もう誰にも会いたくない気分なの。」

僕:「お前、どこまで自分勝手な奴なんだ!」

嫁:「そんな事自分で重々承知の上言ってるの!出てってよ!

お願いだから!出てけ!」


僕は荷物をまとめ、神戸の嫁さんの実家を後にするのでした。なぜ追い出されたのか

さっぱり理解できぬまま。僕が見えなくなるまで見送ってくれる嫁さんのお母さんが、

虚しさを盛り上げました。

その体験から、僕はある事を思いつき実行に移しました。二年前の事です。

年末から年始にかけて温泉旅行に出かけ、仕上げにユニバーサルスタジオで現実逃避!


嫁:「なんか、今年はつつがなく暮らす事が出来た気がするわ。」


成功です!その年は何も起こりませんでした。備えあれば憂いなしです。

要は正月らしさを排除すればいいのだという事が分かりました。

しかし、その年の4月。


嫁:「桜が満開よね。桜を見てると胸騒ぎがするわ。なんか気が狂いそうな気分。」


そうです、嫁さんは桜の季節も苦手なのです。…ああ、めんどくさい。


                               苦難は来年へ続きます。

tuno