生活の柄。高田渡とわたし。 | 犬助のブログ

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トンキチさん(その頃はフーチーさんだったなぁ)のブログで偶然高田渡さんの記事を読んだ。
わたしのコメントの日付は5月30日。
そこには「ブラザー軒」の詩が載せてあってトンキチさんの追悼の言葉が短く添えてあった。
もうひとつ前の記事に今年の4月に亡くなった高田渡さんのことが詳しく書かれていた。

それから一ヶ月ぐらいして
今度は同じビルに入っている吉田絵画教室の吉田先生が
「高田渡っていうじじぃを知っていますか?」と私に聞いた。
「は?」
唐突な質問にトンキチさんの記事とは結びつかなかったから「知らないと思う」というと
「『自衛隊に入ろう』って歌知りませんか?」
あ!それなら知ってる!歌ったことあるもん。なのでその場で
「♪じえぇ~たいに はいろうっはいろうっはいろうっ!じぇぇ~たいにはっいれっば こ~のよ~は天国!でしょ?」と歌ってみたら
「そうそう!!よく知ってますね~!」と褒められ(?)た。
「これはいったい反戦の歌なのか、それとも逆の歌なのか疑問だからすごく覚えてたんでっす。」というと
「そのじじぃがですね、『生活の柄』とか『ブラザー軒』って歌を歌っていてこれがすごいんです!」
ちょっとまった!ブラザー軒なら知ってるぞ!と、そこではじめてトンキチさんの記事に直結!
それで吉田先生がかつて吉祥寺で高田渡のライブを観た話とか聴いて
DVDを貸してもらう約束をした。

で、先週の金曜日、「高田渡 スタジオライブ&インタビュー」ってDVDを借してくれた。
「じじぃ、ぐだぐだ語りながら弾きますけど、聞き流してください。曲だけで充分伝わりますから」
「はぁ、わっかりました~!ありがとうございますぅ~!」

こうやってついに高田渡さんはうちにやってきた。いらっしゃいませ。

しかし金・土がなんか忙しくゆっくり観る時間が取れなくて
日曜日にも友達が遊びにきた。
また今日も見れないやん。。。と思っていたら、ソイツが
「あ!高田渡!!!どうしたの?!」とかいう。
「へ?知ってんの?」と訊くと
「曼荼羅(吉祥寺)でみたことあるもん。寝ちゃったけどさ。」
ぎょ~っ!これはもう、運命!(勝手な思い込み)
それで一緒にDVDをみた。
「仕事さがし」
「スキンシップ・ブルース」
「アイスクリーム」
「69」
「鮪に鰯」
「値上げ」
「コーヒーブルース」
「鎮静剤」
「年輪・歯車」
「夕暮れ」
「生活の柄」
「ブラザー軒」
「トンネルの唄」   が入っていて、所々インタビューがある。
スタジオライブなので映像も音もすごくきれいなものだった。

まず、美しいギターの音にびっくりした。
そしたらそのギターは年代モノのマーチンですごく高価なものらしい。(だがしかしもらいもの)

もしかしたらつまんないかも?っと思って観だしたDVDだったけど
最初から目と耳が吸い付いてしまった。
歌詞が面白い。
歌が不自然じゃない。
すんなり心に入ってくる。

そして「夕暮れ」という歌のところで、ワタクシ、爆発。
この黒田三郎の詩は私がすきな詩のひとつ。
こんなふうに曲がつけられてるなんて知らなかった。

たぶん中学校の教科書に「紙風船」という短い詩が載ってるかもだから
知っているかもしれないけど黒田三郎の詩ってなんかいい。
この時代の詩人の詩ってなんかひねくれた自虐的なもしくは暗いのが多いけど
黒田三郎のはたとえ自虐的な詩であってもユーモアと明るい未来が感じられるものがある。(と思う)

高田渡の歌詞は黒田三郎のものとは微妙に違う。(あとで両方載せます。)
どっちもいい!ああ、この歌を聴けてよかった!!

そして吉田先生お勧めの「生活の柄」(セイカツのガラ)
題名を聞いてすでに期待していたワタクシ。なんかエレカシを思う。逆か?

なんだ?生活の柄って?
曲を聴いて詩を聞いて
なるほど!「柄が悪い」とかの柄なのか!!
習性みたいな、雰囲気みたいな。
私の生活の柄はどんなんだろうと考えた。
わたしも「夏向きの柄」かも。

そして次が「ブラザー軒」だった。
トンキチさんの記事を読んでいたせいか
初めて聴いたのに、しかも高田渡を知らなかったくせに泣きそうになった。ばかじゃん。
君が知っている人はいつかみんな向こう側の人になる。しかもそんなに先の話じゃない。
この歌は七夕の日の歌だからちょっとずれたけど7月に聴けてなんだかよかった。
(歌詞はトンキチさんのブログに掲載されています。)

どの曲も、メロディなんかそんなに顕著な差があるわけじゃない
でもそのひとつひとつを丁寧に伝える「高田渡」と言う人間が
それを特別なものに仕立てる。
ブログをやらなければ知らなかったのか?それともこんなふうに別のルートからいつかやってくる決まりだったのか?
で、あたらしく「高田渡」さんが私の生活に加わりましたっ!


酒飲みは酒飲みに甘いなぁ。(笑)
ってか、この人みたことあるかも?伊勢屋で。


   夕暮れ  黒田三郎        

   夕暮れの町で
   僕は見る
   自分の場所からはみ出てしまった
   多くのひとびとを

   夕暮れのビヤホールで
   彼は一人
   一杯のジョッキーをまえに
   斜めに座る

   彼の目が
   この世の誰とも交わらないところに
   彼は自分の場所をえらぶ
   そうやってたかだか三十分か一時間

   夕暮れのパチンコ屋で
   彼はひとり
   流行歌と騒音のなかで
   半身になって立つ

   彼の目が
   鉄のタマだけをみておればよい
   ひとつの場所を彼はえらぶ
   そうやってたかだか三十分か一時間

   人生の夕暮れが
   その日の夕暮れと
   かさなる
   ほんのひととき

   自分の場所からはみ出てしまった
   ひとびとが
   そこでようやく
   かれの場所を見つけだす

   夕暮れ 黒田三郎/高田渡

  夕暮れの町で
  ボクは見る
  自分の場所からはみだしてしまった
  多くのひとびとを

  夕暮れのビヤホールで
  ひとり一杯の
  ジョッキーをまえに
  斜めに座る

  その目がこの世の誰とも
  交わらないところを
  えらぶ そうやって たかだか
  三十分か一時間

  雪の降りしきる夕暮れ
  ひとりパチンコ屋で
  流行歌の中で
  遠い昔の中と

  その目は厚板ガラスの向こうの
  銀の月を追いかける
  そうやって たかだか
  三十分か一時間

  たそがれがその日の夕暮れと
  折り重なるほんのひととき
  そうやって たかだか
  三十分か一時間

  夕暮れの町で
  ボクは見る
  自分の場所からはみだしてしまった
  多くのひとびとを

トンキチさん、さんきゅ~!!ぴーす!