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その後は軍人らしい会話は一切なく下世話な昔話に終始した。とてつもない居心地の良さに誰もがそこが戦場であることを忘れているようだった。しかし楽しき時間はすぐに過ぎる。ビットマンが二度目に腕時計に目を落としたのを見逃すことなく、ランバ・ラルは傍らに置いていたファイルを手に取りビットマンに差し出した。
「昇進祝いだ。受け取れ」
ファイルの表紙には「MS-07」と記されている。軍の公報の映像では知っていたが、まだ実機を見たことのない新型モビルスーツのマニュアルだ。事情を飲み込めずに視線を上げた先にランバ・ラルの悪戯っ子のような笑顔があった。
「マ・クベから せしめってやった。明日の朝までに駐屯地に届く手筈になっている」
ビットマンは胸の高まりを押さえつつマニュアルを開くとスペック表の高い数値に思わず唸った。どの数値も現行のMS-06ザクのそれを遥かに凌駕している。
「ザクとは違うのだよ。ザクとはな」
ビットマンの胸の内を見透かしたかのようにランバ・ラルが言った。
「陸戦に特化して設計されているから汎用機のザクより重装甲ながら機動力は数段勝る。少々癖はあるがお前ならすぐに乗りこなせるはずだ」
そう言ってランバ・ラルはビットマンの肩をポーンとたたいた。この荒んだ時代にまだ人の心を、これほどまでに熱くさせる「情」というものが自分を取り巻いている。この事実にこれまで堪えていた涙をもう押さえることはできなかった。その姿を見つめる大人たちもこの時ばかりは茶化すことなく穏やかな笑顔で彼を見つめていた。
車で待っていたタチにビットマンが紙袋を手渡した。
「あの人からです」
受け取ったタチは中身を確認するとフッと微笑んだ。
「俺がこっちにいることをハモンさんに伝えてくれたんですね。ありがとうございます」
ビットマンの話を聞き流すように紙袋から取り出した15年物のバーボンの封を切ると、タチは一口あおって ゆっくりと喉を通り過ぎる感触を楽しんだ。
「合成じゃないホンモノはエデン以来だ」
懐かしそうにそう言うと、日の暮れかかった荒野へ向けて車を発進させた。その助手席でしばらくの間悪路に揺られながらビットマンは地平線に落ちかかる夕日をぼんやりと見つめていた。感傷もあったが左手に携えたファイルの内容にほぼ全ての思考は向けられていた。だからその後でタチの「このことは他言無用だ」という言葉は聞こえていなかったと思う。
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クレオスのジャーマングレー三兄弟w
今回もドイツ軍イメージなので、これをメインに塗装します。
市街戦仕様なんでちょうど良い感じではないでしょうか。
ただし日中でもなかなか10度も行かない陽気が続いてますので
部屋内で塗装するにしても排気ダクトを出すために窓を開けると
寒いですし風があると吹き返されて塗装どころではありません。
そんな時に目についたのが部屋の天井にあるコレ。
コイツにダクトをうまく繋げられれば排気問題解決じゃん♬
最初は穴を開けて直にダクトを繋げられるようにしようかと
思いましたが、セッティングに時間がかかりそうなのでパス。
アダプターを使ったポン付け方式にすることにして製作開始。
まずは手持ちのちょうどいい大きさのファイルケースに穴あけ。