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天つ風  雲の通ひ路  吹きとぢよ

      乙女の姿   しばしとどめむ


乙女たちの舞う姿は、平和で雅な国風をイメージさせます。

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「天つ風」は天朝の風、「雲の通ひ道」とは、天朝がどこかに通う路(道)を意味します。
そして「吹きとぢよ」たいうのは、その道を封鎖せよというのです。
   
つまりこれは「遣唐使の廃止」そのものを指していると読み解くことができます。



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歌をざっとみれば、五節(ごせち)のイベントで、優雅に舞う5人の乙女たちの姿を見た僧正遍昭が、そのあまりの美しさを讃えながら、その舞う姿を是非とも眼に焼き付けたいから、しばしの間、「天を吹く風よ、雲間の風の通り道を閉ざして、舞をゆっくりと見させておくれ」と歌っているようです。
では、僧正遍昭が、本当に伝えたかった想いとは、いったい何だったのでしょうか。

手がかりになるのは、前にある参議篁(さんぎたかむら)の歌です。
篁の歌によって、その半世紀後に遣唐使は廃止になりました。
この僧正遍昭は、その廃止になった時代の、政治的にもたいへんに大きな影響力を持った大僧正です。

そしてこの歌を「遣唐使の廃止」という歴史上の大事件と並べてみると、ちょっと面白いことがわかります。

乙女たちの舞う姿は、平和でみやびな国風をイメージさせます。
そして僧正は、天つ風、雲の通ひ路に、「吹きとぢよ」と言っているわけです。
「閉じよ」とは命令形です。非常につよい言葉です。

では、「天つ風、雲の通ひ路」は何を意味しているのでしょうか。
実は、「天つ風」は、天の声、「雲の通い道」とは、そこへ行く路(道)を意味します。
そして「吹き閉じよ」というのは、その道を封鎖せよ、つまりこれは遣唐使の廃止そのものを言っていると拝します。

一方下の句の「乙女の姿」は、平和を愛しみやびな気風を大切にする、わたしたちの国の国風です。
そしてその国の民であり、国民であり、民衆です。
その民衆の平和な姿をとどめるために、遣唐使の道を閉じよ、それが実はこの僧正遍昭の歌の真意となります。』


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この10番歌から12番歌まで
『遣唐使の道を閉じよ』という強いメッセージを込めています。






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