保育士資格は意外に万能である。


全国どこでも働けるし

学童、病児保育、公務員など

一つの資格で

多岐にわたる分野に就職することができる。

子どものプロのような感覚。

そしてなぜか女性受けが良い?


さて、ここからは僕の話。

僕はその資格をいかし

学童で勤務し、まったりゆったりした

人生設計を考えていた

ただ、ここで大きな問題が直面する…


当時、学童は塾経営の所か公務員ぐらいしか

正規職員がなかったのだ。


塾…勉強なんて教えたことがない

公務員…公務員試験の対策がだるい


なんとなーくそんな事を考えながら

2年生の11月ごろ

1つの学校法人を紹介してもらった

そこは保育園を経営しながら

卒園児や地域の子たちの集めて

学童まで展開しているとの事。

しかも今通っている専門学校から

数駅のところにあり、家賃補助などもでる


僕は今までの堕落さと違い

すぐに食い付いた。

なんでもやります。働かせて下さい。

(トンネルを抜けると…の世界のようである)

熱意が通じたのか、学生の時から

アルバイトとして雇ってくれた。

そしてそのまま無事に就職。


とうとうまったりライフが始まる〜と

意気揚々と研修期間を過ごしていた僕。

ただ、研修はなぜか保育園側が多く

正直数日で出来ることなんて

保育実習と変わらない感じの日々。

つまらないなー…と正直思っていた

新人研修最終盤、

園長先生に新人全員が呼び出されて

一大な報告をされた


来年度から ◯◯(僕)先生は3歳児担任ね。


……はい。


他部署がある会社勤務の方なら分かるであろう

事務職や技術職希望の人は

まず営業を経験後に

希望部署へのパターン。

まさにそれだった。


その時大学生の時から思い描いていた

のんびりライフが一気に崩れ去った。

ただ、ここで2つ学びができる。

・社会人は全て本音で語ってはいけない。

・本当にやりたいことは、自分で努力して、その地位を築く必要がある


一年目の保育士ライフが始まった。

お忘れかもしれないが

学生の時からプライドだけ高い所は変わってない

同期と仲良く遊ぶなんて

この時、アピールに必死な僕は

あんまり必要ないと割り切っていた。

同期はライバル。

いやむしろ意識的には敵。

絶対に負けるわけにはいかない。

仲良くわいわいしてる同期と対象的に

僕は少し浮き始めていた。

元彼女に劣等感を感じた時と同じような感覚。


やっと本題の出勤初日。

年度始まりの初日は

9時間が10分のような感覚で終わる

今となっても何も覚えていない。

それぐらい忙しかったのだろう。


ただ何か違和感があった。

それは研修中の時

僕たちはシフト通りの時間に出勤して帰る。

なぜかその時、先輩職員は

全員残っていたのだ。

ここはまさか?!

…今の世の中

まず働きやすさ・定時退社・ホワイト企業

と素晴らしい意識の世の中に変わってきた。

もうお気づきだろう

初日に僕が退勤をしたのは23:30。

僕は伝説への一歩を踏み出した。


意外かも知らないが

周りから見たらそんな会社

ブラック企業…おかしい…と感じるだろう

しかし何より人間関係が良好だった。

そして僕自身、ブラックではないと感じていた

むしろ良い先輩、園長に恵まれていると…


この時の経験は心を壊す道の

一つでもあったのかも知れない


長時間労働に耐えて

一年目を頑張っていた

分からないことが分からない。

でも少しずつ子どもと向き合えた。

今見ると良い保育は出来てなかったが

初担任の子達はやっぱり格別で

どんな人より

愛情だけ負けない

担任として自負があった

日々、子どもたちに

会えるのが楽しみになっていた

あの時の情熱は

たった今、少し保育が上手くなった

僕も多分勝てない

みんな元気でやってるといいなぁ。


ただ順調じゃないことも

少しずつ出てきていた

メンタルではなく、主任との関係。

全てにおいてプライドの高い僕。

そして思ったことを考えずに激論する癖が

全く変わっていなかった。

あの日、衝撃的なことを言われて

社会的な学びがあったのに

思ったことをパッと言ってしまう。

納得しないと言うことの聞かない僕は

主任にとても嫌われていた。

毎日顔を合わせるのが嫌だったが

心にバリケードを作って乗り切った。

今考えるとすごく生意気な新人である。


ただその関係も

主任が一年で昇進異動になったので

またも上手く生き残ってしまったのである


そして2年目に入る時、園長に呼び出されて

悲願の一言を言われる

来年から学童担当ね。後、リーダーね!


2年目、僕の素敵な学童ライフが始まる。


退職まで後、2年。


次回、保育士への道。初めての退職。