部屋は水を打ったように静かだった。
故郷の大阪から上京してきて今年で3年目になる。3度目の夏。
ヒロキは夏なのに、ひんやりと冷たいクーラーの風に違和感を感じていた。
部屋は散らかっており、テーブルの上は仕送りで送られて来たであろう、インスタントラーメンのゴミ等で溢れかえっていた。掃除をする気配もない。
「はぁ…」
テレビをつける気力もなく、ヒロキはベットにスーツ姿で寝転がったままゴロゴロしていた。
Pipipi…
静かだった部屋にヒロキの携帯電話の着信が鳴り響く。
寝かけていたヒロキは寝ぼけ眼で電話取った。
「はい、もしもし…」
「あ、ヒロキー。久しぶり元気してるかぁ?」
大阪の兄貴だった。
「おぅ久しぶりやん、元気にしてるよ兄貴は?」
「俺はいつでも元気やがな」
本当に元気そうな声で兄貴は言う。
「それはよかった、ところでいきなりどうしたん?」
「いやぁな…」
「なんやねん、どうしたんや?」
「あのー俺、実はな…」
続く