高市総理は

『緊縮財政の呪縛を乗り越えて、財政政策の大転換を行う』と述べて、これを国民に信を問うと解散に踏み切りました。

結論こら言えば、これが大義です。

世に『大義がない』と宣う人々を散見しますが、記者会見でのこの発言が理解出来ないのでしょうか。


さて呪縛とは何を指しているのでしょうか。

エコノミストである会田卓司氏はこの呪縛を『プライマリーバランスを単年度目標にしてきた、これが呪縛である』と解説しています。


会田卓司氏の分析を基に考えてみたいと思います。


氏の言う『呪縛』で財政を行えば将来の成長に対する投資であっても税収の範囲内でやると言う事になります。


これは高市政権が掲げる『成長投資』に対する呪縛となってしまいます。

この呪縛を払い除けて積極財政によって『成長投資・危機管理投資』へ政策転換をすると言うのが解散の理由でありこれをやるに当たり『国民の声を聞く』と言う事ですから『大義』は充分にあります。


前回選挙は石破政権下であり、自公連立でした。

連立与党であった公明党は野党になったわけですから、これも充分に大義と言えます。


先ず一つに予算です。

年末に現政権である高市政権下で予算を作りました。

しかしこれは『高市型』ではなく『石破型』です。


昨年6月の政府経済政策の方針を作り、これに基づき26年度までの政府予算を年末まで作って来ました。

歳出には高いシーリングがあり、高市政権になったからとてガラッと変えられたわけではありません。

それが証拠に26年度ではプライマリーバランスが黒字化しました。

プライマリーバランスが黒字化すると言う事は投資が不足していると言う事です。


年が明けると、この『石破型』予算を国会にて審議する事になります。

野党が委員長であり、野党主導での石破型政策を審議することになります。

この様な状況では、積極財政、投資型財政を行おうとする高市政権にとっては非常にリスクが高い。

ならば解散し国民に信を問うて、選挙に勝ち財政政策を進めたいと言うところです。


二つ目に、緊縮財政の呪縛を乗り越えると言う事です。

つまり高市総理は緊縮と言う『呪縛』を感じていると言う事です。

例えば『消費税減税』について見てみると理解出来るでしょう。

食料品の消費税減税引き下げの検討を加速すると言う公約です。

本来ならば『消費税引き下げ』を公約にすれば良いはずです。しかさはそうでないのは、未だ自民党内に反発が強いという事でしょう。

つまり『呪縛』とはこういった身内の事でしょう。


次年度予算では、財政政策を大胆に転換したい。

しかし『呪縛』があっては中途半端な転換しか出来ない恐れがある。

そうなれば高市政権が掲げる積極財政は看板倒れになってしまいます。

これは『高市政権瓦解』のリスクになります。

ならばここで積極財政を掲げて解散に打って出て勝てば、昨年6月の骨太の方針を大転換する事が出来ます。


党内には積極財政チーム緊縮財政チームの二つが存在しており、未だに緊縮財政チームによる緊縮の呪縛があるります。

とは言え、『例え選挙に勝っても党内に存在する緊縮に足を引っ張られるのではないか』という懸念もあります。


しかしながら、この選挙の争点として『呪縛を乗り越え政策の大転換をする』と高市総理はハッキリと明示しています。

故にこの選挙で高市政権が勝利すれば、緊縮呪縛チームも暫くは大人しく従わざるを得ないでしょう。


しかしマスメディア、オールドメディアはどうしても与党の足を引っ張りたいのか『高市総理が消費減税に触れたが為に長期金利が上昇した!国債が暴落するぞ!』とネガティブな報道をやらかします。

果てはトラスショックまで持ち出す始末です。


日銀は経済が正常化するという見通しに基づき金融政策を行っています。

金融政策の正常化と言う様な後に、経済の正常化が見えて来た、らしくなって来ればイールドカーブも正常に向かって行きます。

つまりは『利回り曲線』の正常化です。

長期金利と言うものは、だいたい名目GDP成長率と最後は一致していくものです。

つまり経済成長が見込まれる時には長期金利は上昇する傾向を見せるのです。


5年スパン程度ならば予想はつきます。

30年、40年とでは名目GDPの成長率を予測する事は難しい、しかし直近名目GDP成長率を見れば平均3%づつ成長しています。

それを目安金利が3%や4%に上昇するのは、むしろ正常な事で、高市政権の経済政策への期待値と言えます。

つまりは経済は正常化していくとマーケットは見ているわけです。

ならば、直近見られる過度な金利上昇はオールドメディアの報道などもあり高市政権の経済対策に対する誤解がある事も要因ではないかと思われます。


では誤解とは何でしょうか?


それは『高市政権はアベノミクスと同じ事をやろうとしている』とバカなオールドメディアが報じた事でしょう。

そもそもアベノミクスはデフレ下での政策です。

しかし今はインフレです。

インフレ下でデフレ政策をやれば、物価上昇は激しくなり過度なインフレとなってしまいます。


しかし実際のところ高市政権は国債を発行し、国民にばら撒き単純に需要を押し上げ様としているわけではありません。補正予算を組んだり、単年度予算を見て投資をしようとしているわけでもない。

『官民連携で投資をして供給能力を増やす』と言っているのです。


供給能力を増やすことは、将来的に需要に供給能力が追いつきインフレは安定化すると見込んでいるからです。

これを理解出来ない者が『単純な積極財政によって需要が高まって過度なインフレを起こす』と誤解した結果、オーバーシュート気味の金利上昇を招いたという事です。

そういった事から、アンチ高市達は『減税にばかり言及したが故に金利上昇を招き国債の信任が落ちて暴落するぞ!デフォルトするぞ!』とやたら盛り上がっていたのです。

オールドメディアやテレビコメンテーターをつとめるエコノミスト風情は全く高市政権の狙いが理解出来ずに騒ぎ立てていたと。

単純に勉強不足と言う事です。

勉強不足であるが故に『積極財政だから金利もインフレも高騰する』と思い込んでいるのです。


将来の供給能力を上げる投資ですから『成長投資』です。

これは『潜在成長率』を上げると言う話しです。

そして投資は労働生産性を上げる力になり実所得を上げる力にもなります。

供給能力の拡大は即ち国力の拡大に繋がるのです。


デフレ下では需要が弱い、この弱い需要に合わせてリストラとコストカットをやりまくり供給能力もどんどん小さくして来ました。

そんな状況で需要が上がってしまうと供給が間に合わず過度なインフレに陥ってしまいます。

今般のインフレの最大の要因はそこにあります。

それでは成長の限界になってしまいます。


アホは経済政策に書かれた項目、つまりメニューにばかり目が行きがちです。

しかしそこには必ず『こういう経済認識のもと、経済をこの様に再生していきたいから、こういう経済政策をやる』と主旨が明記されています。

ここの高市政権の経済政策の意図が示されているのです。


緊縮呪縛派のオールドメディアや一般の反高市郡はこれを読んでいない、読んでも理解出来ないのです。

或いは理解しているが敢えて批判する。

若しくは知らん顔。

理解していながら敢えてと言うなら、尚悪質です。


『国債が売れない』と宣う連中はいますが『金利上昇が見込めるなら国債を購入する』という投資家もいます。

暴落するぞ!などは一面的な見方でしかありません。

金はただ持っているだけでは増えません。インフレ下なら実質目減り。ならば国債を持っていれば利回りがある。


金利上昇だけを見れば、さも暴落している『方向』に見えますが『水準』で見れば10年ものの金利が2%台半ばですから、名目GDP成長率3%と比べて見れば良い金利上昇まで来たと見る事が出来ます。

要は『方向性』と『水準』の見方の問題です。


国債投資はリスクが低い。

リスクの低い投資で金利が2%台半ばなら『買い』だと言えるわけです。

ならば、金利上昇の『方向性』だけを捕まえて暴落していくぞと言うのは間違いであり『買い手不足』と言う解釈も間違いです。


金利と言うものは政府の振る舞いだけでは決まりません。

借りて投資をするのは何も政府だけではありません。

企業も同じです。

企業が猛烈に借り入れをして投資をしたいとなっている時に政府が同じ事をすれば金利は上昇します。


しかしこの30年企業は投資を必要以上に渋って来たのです。

よって政府が少々国債を発行して投資をしたところで、トラスショックの様な株価の下落を伴う金利高騰など起きません。

現に株価は史上最高値です。


そして日本は莫大な金融資産を保有しています。

米国の実に4倍!

一般政府の負債から金融資産を差し引くと負債は対GDP比に於いて−81%です。

米国は−106%です。


日本企業の純債務はと言うと、なんと対GDP比+10%です。米国は−204%です。

日本企業はなんと金を溜め込んでいるのです。

つまり日本企業は金を全く使わずに借り入れもせずに投資もせずに借金返済にのみ邁進して来たのです。

邁進して来た結果遂に返済し切った。

それは猛烈なコストカットとリストラのもとに。

企業と言うものは『借り入れ』て『投資』をして利益を出していくものです。

それをしっかりとやって来た米国は純債務が200%を超えています。

これが国民の所得となって経済は膨らむのです。


日本の政府+企業+家計を合わせた負債総額は対GDP比は−71%です。

米国は−313%

ユーロ圏では−117%

これを見れば日本の懐事情は全く健全です。

それどころか全く投資が足りていないのです。




わけのわからない話しで投資が出来なくなり、過度な金利上昇を招き、弱い経済を残す事は将来世代にツケ回しをする事になります。


投資により経済を成長させて、強い経済を作り、その事により将来世代にしっかりと所得を生む強い経済を残す。


その為に投資をする!


将来の為に借金を残さないと言ってコスト削減、貯蓄をして投資を控えて来た。

結果生み出したのは『失われた30年』です。

つまり所得や成長を生む経済は全く作れなかったのです。

それは皆が知るところです。


よってこの選挙の争点は『金を貯蓄する経済か』それとも『投資によって将来成長する経済か』を国民に信を問うと言う事です。


投資を増やせば、労働者一人当たりの資本設備が増えます。よって労働生産性は上がります。

そうなれば実所得は増え、労働者の手取りは増えます。

投資が所得を生むのです。

これは端的に日本経済が成長していくと言う事です。


年金等についても良い効果をもたらします。


年金基金の積み上げは、厚生年金で5倍、国民年金で4倍積み上がっています。

必要額の5倍や4倍プールしているのです。


日本の年金は、今年の収入で今年の支出を賄う『賦課制度』です。

他のG7国でこれほど積み上げている国は日本だけです。

これは異常な事です。

これを100年かけて一倍に戻すと言うのが100年安心年金とか言うやつです。


しかしその前提がおかしい。

100年間実質GDP成長率を−0.1%に設定してあるのです。

つまり『成長率がマイナスだから社会保険料はマイナスになってしまうぞ』と危機感を煽っているのです。

そう言って社会保険料をどんどん引き上げているのです。


しかし実際には実質成長率は1%以上です。

しっかり投資をして、例えば実質成長率を1%に設定すれば100年後には年金基金の積み上がりは25倍になります。

と、言う事はしっかり投資をし、経済成長をさせれば保険料はグンっと下げれるのです。

世代間格差など関係ないのです。

現在よく耳にする年金による世代間の対立構造などは実は全く存在などしなくなり、両者良し!のウィンウィンの形になるなです。


更に、年金基金の想定名目運用利回りは3%です。

ならば現在、国債の超長期金利は3%を超えています。

つまり今の基金は超長期国債を買っているだけで運用できると言う事になります。


今まで想定名目運用利回りを達成する為に、様々な海外債券を含めて買って来ましたが、そんな事をする必要がないのです。

年金基金が海外の投資向いていましたが、国内に投資するなら資金は潤沢にあると言えるのです。


そもそも『買い手不足』と騒ぐなら年金基金が国債を買って運用すれば良いのです。

わけのわからない海外投資に資金を回す必要はありません。

そうなれば海外投資は減りますから『円安』は是正されます。

投資が国内に向かうならそれは国民の所得に回ります。


そして、そもそも社会保障費の財源は税ではありません。


『中道改革連合』とか言う連中が宣う消費税減税の為のジャパンファンドなるわけのわからないファンドなど、想定利回りは5%です。

それだけの運用利回りを達成しようとすれば、利回りの良い海外に投資を向けなければならない可能性が高い。

そうなれば日本の金が日本の市場に入ってこないかもしれません。


しっかりと将来の為に投資することは国力を高めて、次世代に富を残す事になるのです。