先ほどNHKの「軍師官兵衛」の中で少年が「巻き打ち」の素振りをしていた。
流石NHKと言うべきか。
戦国時代の「実戦的な武術」という時代考証がなされている。
現代の「剣道」で推奨される素振りは「大上段に振りかぶる」型。
この形は「鎧兜に身を包んだ」戦国時代の装備では実践的ではない。
己の兜が邪魔になる。
その為「巻き打ち」という刀身を左肩と肘の間に巻き込む形が用いられた。
今でも古流武術には伝えられている。
実際に試してみると、素早くコンパクトに振りかぶれる事から「より実戦的」と感じた。
学生時代に屋外でこの素振りを指導していた所を同僚に見られた事がある。
剣道の経験者だったが、巻き打ちを「おかしい」と称していた。
他にも「必ず右足を前に出す送り足」でない事にも同様の評価を頂いた。
此方は笑って答えなかったが…。
戦場で足元が平地である事など滅多に無い。
剣道の「送りすり足」なぞ、戦場では殆ど使い物にならぬ。
まあ「道場剣術を齧った」程度であれば、知らぬのもやむを得ないのだろう。