稚拙過ぎる上に不当…単なる「話題作り」か?【西村博之氏】 | まぁ、こんなもんでえぇんとちゃう?

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もと2ちゃんねる管理人「ひろゆき」(西野博之)という人物のアグネスチャン氏への公開質問状が話題になっているようだ。

以下質問状(http://hiro.asks.jp/90907.html)から引用


上記に対する最も判りやすい解説は以下のブログ記事だろう。

ひろゆきの日本ユニセフ&アグネス叩きについてそろそろ一言いっとくか
http://anond.hatelabo.jp/20131114111136

ひろゆきの日本ユニセフ(略)二言目いっとくか
http://anond.hatelabo.jp/20131115132145

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇以下上記ブログ記事から部分的に引用紹介◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 黒柳徹子は個人口座を2つ公開してて、そこに入金された寄付金をそのままユニセフ協会本部に拠出してるのに、日本ユニセフ協会は81%しか拠出してない。子供のためを思えば徹子に寄付するべきだ、という論法なんだけど。ようするに「金抜きすぎ」というほのめかしだ(実際、秒刊SUNDAYはひろゆきのこのエントリを「日本ユニセフピンハネ疑惑」と要約してる)。
 しかし「81%を上部団体に拠出し、19%を自前の運営・活動に割いている」という経営実態は、日本ユニセフ協会のやってる活動内容を見るかぎり、相当のパフォーマンスだ。実際、ユニセフへの拠出額 | 日本ユニセフ協会を確認すれば:

 ・各国ユニセフ支部は本部と協力協定を結んでいること
 ・協力協定では「募金の75%以上の本部拠出と25%以下の支部活動支出」という配分比が定められていること

がわかる。そして、日本ユニセフ協会のこの誇らしい宣言を見よ。

2012年度、当協会は、みなさまからお預かりした開発途上国の子どもたちを支援するためのユニセフ募金(161億1,252万円)の81%にあたる130億円(下記計算書の※15)を、ユニセフ本部に拠出することができました。これは、世界36の先進国・地域においてユニセフを代表するユニセフ協会(国内委員会)の中で、最高額となっています。また、81%という拠出率も極めて高いレベルを維持しています

 「100%持ち出しの金持ちをお手本にすべき」「ボランティア実務に関わる人はタダで働くべき」というイメージの流布は、こうした活動の継続性を著しく悪化させる。ボランティア系団体を無償または低コストな善意だけで廻そうとすると必ずどこかで破綻する。ちゃんと優秀なマネージャーと専従スタッフがいて、業務知識と経営資産を継承できる体制がないと、萌芽組織が生まれてはまた壊れ、そのたびに尽力した善意の関係者たちは疲弊してその世界から離脱していく。
(中略)
 で、日本ユニセフ協会は、古典的ながら、比較的これに近い路線で確固とした組織形成をやってきたのがうかがえる。
でも、日本でそれをやると、なぜか叩かれる要因になる。「慈善活動にはコスト概念を持ち込んではいけない」「善意の運動は無償で担われるべき」という愚かしい思い込みが広く浸透しているからだ(中略)。これが、慈善的な社会運動へ参加してみよう、とか、組織してみよう、という行動へのハードルをどんどん引き上げていくことは言うまでもない。そんな理由で草の根における再分配の仕組みが活性化されないのは、社会全体にとっても大きな損失なのだ。


「なんでアグネスは黒柳徹子の口座を書かないの?」…A:アグネスが自分の職務に忠実なら、当然そうすべきだから。
 まず、アグネスはなんで黒柳徹子の口座番号を書かないのかという話なんだが。「日本ユニセフ協会の大使であるアグネスも、グローバル組織の親善大使である黒柳徹子への個人口座へ入金をすすめるのが当然」という理屈…これ、自分の会社に置き換えてみたらどう考えても筋がおかしいことだってわかるでしょ。
 アグネスの主たる職務は、自分が所属する日本ユニセフ協会のプロモーションと寄付金集めなのであって、その活動の成果を、任命組織じゃなくて親組織の側のエージェントである黒柳徹子に直接フィードバックせよ、っていうのは、あるグローバル企業の日本支社の営業マンが、自分の足を使った営業活動の末に取ってきた発注案件を「値段少し安くなるんで、本社直轄でやってるグローバルECサイトで飛び込みの新規客として注文しといてくださいね~」って言うのと同じだ。


「黒柳徹子なら100%ユニセフ本部に渡るのに、あえて日本ユニセフ協会に寄付する意味って何?」…A:ユニセフ支援の活動が持続するから。
 前のエントリでは黒柳徹子氏の個人口座(トットチャンネルのお願いチャンネル)への年間寄付を1億以下ぐらいじゃないかと書いたが、これは少なすぎるかもしれない。めいっぱい多めのセンで見積もって、記述からするとこれまでのピークだったと思しき2700万円/月を12倍し、年間3億円前後が彼女の個人口座への寄付のポテンシャルの上限だとしよう。一方、日本ユニセフは去年に161億円を集めている。50倍強だ。この50倍の差が、そのまま黒柳徹子氏と日本ユニセフという組織の力の差なのである。
 パンフ、ポスター、イベント、プレスリリース、TVCM、メディア露出、ネットバナー、街頭活動など、定番のマーケティングチャネルや営業ツールを駆使してAIDMAを廻し続け、顧客ベースを維持・拡大することが、B2Cの事業活動全般においていかに大切かは言うまでもない。そして日本においては、まさに日本ユニセフ協会がユニセフの協力組織として、20%のマージンを使って畑を耕し、種を蒔き、水を与え続けているのだ。この作業が途絶えれば、いずれ畑は衰え、収穫は途絶える。これを100%使い切ろうというのは、種籾食べて次世代の食い扶持をなくすのと同じ話である。
 黒柳徹子氏はユニセフ親善大使として多大な貢献をしているが、そこはやはり個人ベースの活動だから限界がある。日本のオプラ・ウィンフリーとでも言うべき認知と影響力を誇る彼女でさえ、自前のWebに自分で人を集めるだけでは、多く見積もっても3億円/年、実績ベースで過去の総計50億円弱(と本人が書いてる)の集金力がやっとなのだ。「徹子がいるんだから日本ユニセフはイラネ」という奴はそこをよく考えていただきたい。



「それにしたって19%(31億円)のピンハネ・中抜きは高すぎだろ」…A:どんだけ金を集めてきたかが最重要で、そのためのコストは変動費だ。
 これは上の話とかぶるけれども。仮にユニセフ本部自体が日本にもリーチするためのPR活動を自分自身でやってて、日本ユニセフ協会はただの送金システムなのであれば、そりゃ19%は高いわ。しかし、実際はそうではない。日本でユニセフという組織がこれだけ認知されているのは、日本ユニセフ協会が推進しているさまざまなマーケティングミックスによって、我々が日常的にユニセフという組織について知り、理解して、共感して、実際に寄付に至るまでのさまざまなパスが提供されているからだ。
 こうした活動の大半は、当然、固定費ではなく変動費である。一定のコストをかけて、何らかの施策を何らかの規模で投下して、一定のリターンを得るのだ。企業活動と同じである。「組織や拠出の規模が大きいから19%より下げられるはずだ」などというのは無茶もいいとこだ。あんたがたの会社は、売上規模が大きくなっても間接部門のコストはずっと一定でいいのか。暴動起きるぞ。規模のメリットによる生産性向上はありえるし当然あるべきだけど、その観点で評価しても、今の日本ユニセフ協会のパフォーマンスがことさら低いということはないだろう。それを「中抜き」とか「ピンハネ」と表現するに至ってはもう何をかいわんやである。



「アグネスは無償でやってるか不透明」「19%の内訳が不透明」…A:日本ユニセフのサイトに書いてある。
http://www.unicef.or.jp/partner/partner_amb.html
 ユニセフでは、世界的に著名な歌手や俳優、スポーツ選手などをユニセフの親善大使に任命しています。また、世界8ヶ所にあるユニセフ地域事務所の一部や、36ヵ国にある各国内委員会も ユニセフ本部の承認のもと、親善大使(地域大使・国内委員会大使など)を任命しています。こうして任命された大使の方々は、お忙しい時間の合間を縫って、全くの無償のボランティアで、ユニセフの活動に協力してくださっています。
正味財産増減計算書(PDF)
 ぐぐれば1発で出てくる情報について、わざわざブコメする時間使ってないない書いてるのは、情報強者たるネット民の沽券に関わらないだろうのか。ν速や保守速報あたりで「【悲報】日本ユニセフの会計が丸裸にwwww」とかってまとめられてないと読めないのか。なこたあないだろう。


(我楽者注;西村氏に対する当該ブログ記事作成者の意見には大いに共感した。w)
 てか、長々書いてはみたけどさあ、冒頭のエントリ読めばはっきりわかるよね、ひろゆきが子供の福祉にも日本ユニセフの活動実態にも全く興味がないってことが。アグネス叩きたい一心で持ち出してきただけの話で、しかもそのロジックが粗雑きわまりない。「マクドのポテトは原価率が~!」って得意げに吹聴する高校生とどこが違うのこれって感じ。そもそもブコメで複数の人が書いてるように、裁判に負けても借金踏み倒し続けたり納税を回避してる奴が、こんなときだけ子供の人権の代弁するようなフリして他人様の金の使い道にあれこれ口出すのがおこがましいわ。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇(該当ブログからの引用終了)◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

なお西村氏の文章は「BLOGOS」(http://blogos.com/)というサイトにも掲載されている。

アグネス・チャンさんへの公開質問状 西村博之2013年11月14日 07:24
http://blogos.com/article/73609/

そこで同じBLOGOSから関連する記事を紹介しておく。

「子供のためを思えば」活動費を寄付金からねん出すべきなのか?
http://blogos.com/article/73752/
 小松原織香 2013年11月14日 22:01

小松原氏は日本ユニセフに対して好感情を持っては居ないようだが、「子供のためを思えば」と西村氏が言及している点についての問題を指摘している。

【以下要点抜粋】

・西村氏の該当文は「短期スパン」では良いかも知れないが、「長期的スパン」で考えると難点がある。

・ユニセフ(本部)は日本事務局(日本ユニセフ協会)の長年の広報活動により知名度と信頼を得てきた。

・黒柳氏の活動は上記の「知名度と信頼を得た」成果の上に成り立っている。

・黒柳氏の個人活動よりも、「日本ユニセフ協会」に募金してその組織を維持する事の方が長期の募金を送金できる可能性が大きい。


日本ユニセフ協会は悪いのか?
http://blogos.com/article/73681/
 Hayato Ikeda2013年11月14日 15:54

前出のブログ記事(http://anond.hatelabo.jp/20131114111136)を引用して、「日本ユニセフの活動の為の資金利用批判」に対して以下の点を提示している。

・個人篤志家かつ資産家である黒柳徹子氏の有形無形の「持ち出し」への寄生を正当化する

・NPO組織の運営に関わる人々の労働コストを「買いたたく」ことを正当化する

・慈善活動への関与は無償または廉価で行われるべきだという間違った社会通念を固定化する
 
また小松原氏同様、日本におけるユニセフの知名度と信頼性を築いたのは日本ユニセフである事を一言で示している。

・日本における「ユニセフ」ブランドは誰が作ったのか?

更に「日本ユニセフ協会に対する感情的な批判」を「無知によるものでしょう」と推測している。w