あの時あたしは輝いていた | 犬神サアカス團 犬神凶子オフィシャルブログ「凶子の衛生博覧会」Powered by Ameba

あの時あたしは輝いていた

昨日の豪雨とは打って変わって、今日はとても朗らかですね。

子供の頃、近所にとても上品な奥様がいらっしゃいました。
スタイルも良く美人でしたが、少しツンとしていて、気安く話しかけられるような雰囲気はなく、みんな挨拶程度の付き合いでした。
かといって、お互い険悪な空気はなく、それが普通のことでもありました。
しかし、毎年春になると、誰彼かまわずつかまえて、自分の話を一方的にまくしたてるのです。
近所の人にはもちろん、ただすれ違っただけの人までつかまえて。
甲高い声でとても楽しそうに、自分の家のこと旦那のこと子供のことを延々にまくしたてるのです。
邪見に扱うわけにもいかず、誰もが苦い顔をしながら黙って聞いていました。
そして、春が終わると、何事もなかったかのように、いつもの上品でツンとした奥様に戻るのでした。

今でも不思議なのですか、なぜか春の奥様は、普段の奥様よりとても輝いて見えました。

それでは聞いてください。
犬神サアカス團でアルバム「玉椿姫」から「虚像の誓い」