谷川俊太郎の「煙草の害について」という詩があります。

公園に吸殻を散らかし

家じゅうに灰を落し

ズボンに焼焦をつくり

空気をよごし

ライターに無駄金を使い

爪も歯もきいろく染め

風邪をこじらせ

あげくの果に肺ガンになり

いいことは何ひとつないのに

世界じゅうの人間が

国境を問わず人種を問わず好むという

人間の人間らしさのおろかな証し・・・・・・

だが私はとりわけこうした

非衛生的な人類というやつがいとしい