世の中信じられないような話がそこらじゅうで聞くことができる。
人間界でも親子の殺人はもちろん、レイプやらイジメやら。
人間でさえこのザマだ、動物虐待など発覚するのは氷山の一角だろう。
かつてこの私が紹介してきた話だって氷山の一角である。あまりにも突飛過ぎてフィクションなのではないかと思うファンの人もいるようだが、正真正銘のリアルなノンフィクションである。
一般人は一般の表面しか垣間見ることができないが、プロはプロなりの見たくも無い一面を見てしまわねばならないときがある。まぁ、今回の話はお客さんから聞いた話なのだが、私自身噂で聞いたことはあるが、本当にあるんだと確信した話である。
某月某日。
藤田さんはとても上品な高級住宅地に住んでいる奥様だ。
過去に飼ってきた犬たちは皆私の勧めるオーガニック高級フードを与えられ、ルイヴィトンの首輪にリード、10万円もするオーダーメイドの革張りのベッドでオネンネできるというセレブ犬であった。
大きな邸宅に住みながら私の勧める体高96cmの輸入したての○○○万円のハルクインには目もくれず、妙なペットショップに出入りしては眉唾物の犬に目が行ってしまうという「犬識眼」の無さには呆れるものがあった。
そこのペットショップ出身のお客さんがたまにドッグラン利用で来るのだが、どうも病気持ち(先天性の)ばかり販売してるようでならない。
店 「ほら、奥さん見てください。頭が大きくて目がクリクリして可愛いでしょ?今なら10万円の所8万円まで値下げしちゃうんで、奥さんだけですからね、どうですか?」
と言ってセールストークに負けて買わされた犬はモレラをおっ広げた大ペコ丸出しの水頭症のチワワ。
店 「奥さ~ん、このシーズー。他のシーズーと比べて何か気づきませんか?そうなんですっ!目の色が綺麗でレアなんですっ!うちでも今までこんな綺麗な瞳をした子は入ったことないんです!この子だけですよ。どうですか?今ならゴニョゴニョゴニョ万円でどうですか?」
と言って日本人の好きな「レア」「珍」「限定」という言葉に負けて買ってしまった。
で、後日同じくドッグラン利用でたまたま私が居合わせた為、飼い主はレアな犬を見せに私の所へ喜び勇んでやってきた。飼い主はドヤ顔で私にそのシーズーを見せたが、私はすぐさま
犬 「あぁ、レアでも何でもないね」
と言った。続けて私は
犬 「この子もう目が見えなくなってきてるね。しかも子犬じゃねーし」
その言葉にちょっとムッとした飼い主は怒り顔で私を見つめる。
犬 「シーズーに多い緑内障だよ。だから緑に見えるんだ。眼圧が高くなってポップアイになるよ。そのころには目ん玉飛び出して失明してるね。それとこの子は大体6歳ぐらいだな。初老ってとこだ。嘘だと思うなら動物病院行ってごらん」
あまりのショックに開いた口が塞がっていない。残念だが無知が招いた当然の買い物である。私ならただでも金をもらっても要らない。
店 「あれれ~ 奥さんこのプードル気に入っちゃいましたか?この子、特技があるんですよ。スキップができるんです!」
もうお分かりだろう。プードルのスキップと言えばパテラと相場が決まっている。
膝が外れて痛いのでスキップしてるように見えるだけだ。
他にもまだあるらしいが割愛させていただいて続きを進むとしよう。
こんなペットショップから藤田さんは犬を買うことに決めてしまった。
それはそれは美しくて真っ白なメスのマルチーズだった。
来たときから小さかったのでミニーと名づけた。しかし食べても食べても大きくならない。1歳を迎えても2キロに満たない極小のマルチーズに育った。名は体をあらわすと言うが、真にそのように育ってしまったのである。本来の大きさに育ってないため顎が小さくて歯の容量が小さいので乱杭歯になっている。
また、頭部はやや大きいのだが、体がやたら小さくてバランスが悪い。
私も妙に嫌な予感がしたのだが、口は災いの元。何も口出しすることなく見届けていた。
ミニーちゃん3歳(藤田さん宅に来てから。推定9歳)の頃、突然発作を起こして倒れてしまった。
僧帽弁閉鎖不全による心肥大が悪化した結果の心臓発作と思われた。
また、生まれつき気管虚脱でもあってトリプルパンチ状態である。
飼い主の愛情も虚しくミニーちゃんは天へ旅立った。
そして火葬した日、藤田さんから一本の電話があった。
藤 「もしもし犬バカさん?藤田です。ミニー生前は色々お世話になりました」
犬 「いえいえこちらこそ何にもできなくて」
藤 「ところでですね、今火葬が終わったのですが」
犬 「そうですか、今日火葬されたんですね」
藤 「えぇ、そうなんです。でも、ひとつ変なことがありまして」
犬 「変なこと?何ですか?」
藤 「ミニーを火葬したらワイヤーのような金属が出てきたんです」
犬 「金属?」
藤 「火葬場の人の話だと何か骨折して手術しましたか?って聞かれたんです。ミニーは一度も骨折や手術なんてしてないんです」
犬 「ってことは・・・・・」
藤 「背骨にワイヤーのようなものを通して成長を止めてたんではないかと・・・・」
犬 「話には聞いたことあるけど本当にあるんだねぇ。酷いことするなぁ。そこまでして金儲けしたいのかね」
藤 「所詮犬なんて商売道具ぐらいにしか思ってないんでしょうね」
犬 「まぁ、色んな人間がいるからねぇ」
藤 「いい勉強になりました」
犬 「犬だって安かろう悪かろうはあるんだよ。それと残り物に福はないよ」
藤 「分かりました。今度はちゃんとしたブリーダーから買います」
犬 「グレートデン、どう?」
藤 「ちょっと!」
犬 「冗談、冗談」
世の中こうまでして金儲けしたい経営者がいるんだな。
同じ同業者として恥ずかしい一面でもある。こうして亡くなった犬たちのためにも何かしてやりたいと思うのだが、敵は国なので畜生如きに重い腰を上げることは難しいだろうが、私が生きてる間に何かしてやりたいものである。
※補足加筆※
その昔、ペットの競り市場が盛んな頃、子犬だけでなく成犬や老犬までもがベルトコンベアーに流れて二束三文で競り落とされることがあった。また、成犬や老犬が競りに出されなくてもそういった場で仲良くなったショップ同士が売れ残った犬や病気の犬を売買して店頭に並ぶということもあった。
ショップ側はあえて成犬や老犬、病気持ちの犬を専門的に仕入れて箆棒に吹っかけてぼろ儲けしてたという。あくまで私が聞いた話では¥3000で仕入れた偽者の血統書付のシュナウザーがSELE価格で20万で売られていたという。
ミニーちゃんも藤田さんの元に来たときには既に子犬でなかったことから子犬の頃成長を止めて小さく一般受けするために小細工をしてワイヤーなどを入れたのではないかと思われる。
爬虫類は故意に餌を制限させて育つのを遅らせたり、某動物では栄養価の低い食べ物を与えミニマムにするというある種プロの技を巧みに使って売っていることもある。是非とも気をつけていただきたい。
人間界でも親子の殺人はもちろん、レイプやらイジメやら。
人間でさえこのザマだ、動物虐待など発覚するのは氷山の一角だろう。
かつてこの私が紹介してきた話だって氷山の一角である。あまりにも突飛過ぎてフィクションなのではないかと思うファンの人もいるようだが、正真正銘のリアルなノンフィクションである。
一般人は一般の表面しか垣間見ることができないが、プロはプロなりの見たくも無い一面を見てしまわねばならないときがある。まぁ、今回の話はお客さんから聞いた話なのだが、私自身噂で聞いたことはあるが、本当にあるんだと確信した話である。
某月某日。
藤田さんはとても上品な高級住宅地に住んでいる奥様だ。
過去に飼ってきた犬たちは皆私の勧めるオーガニック高級フードを与えられ、ルイヴィトンの首輪にリード、10万円もするオーダーメイドの革張りのベッドでオネンネできるというセレブ犬であった。
大きな邸宅に住みながら私の勧める体高96cmの輸入したての○○○万円のハルクインには目もくれず、妙なペットショップに出入りしては眉唾物の犬に目が行ってしまうという「犬識眼」の無さには呆れるものがあった。
そこのペットショップ出身のお客さんがたまにドッグラン利用で来るのだが、どうも病気持ち(先天性の)ばかり販売してるようでならない。
店 「ほら、奥さん見てください。頭が大きくて目がクリクリして可愛いでしょ?今なら10万円の所8万円まで値下げしちゃうんで、奥さんだけですからね、どうですか?」
と言ってセールストークに負けて買わされた犬はモレラをおっ広げた大ペコ丸出しの水頭症のチワワ。
店 「奥さ~ん、このシーズー。他のシーズーと比べて何か気づきませんか?そうなんですっ!目の色が綺麗でレアなんですっ!うちでも今までこんな綺麗な瞳をした子は入ったことないんです!この子だけですよ。どうですか?今ならゴニョゴニョゴニョ万円でどうですか?」
と言って日本人の好きな「レア」「珍」「限定」という言葉に負けて買ってしまった。
で、後日同じくドッグラン利用でたまたま私が居合わせた為、飼い主はレアな犬を見せに私の所へ喜び勇んでやってきた。飼い主はドヤ顔で私にそのシーズーを見せたが、私はすぐさま
犬 「あぁ、レアでも何でもないね」
と言った。続けて私は
犬 「この子もう目が見えなくなってきてるね。しかも子犬じゃねーし」
その言葉にちょっとムッとした飼い主は怒り顔で私を見つめる。
犬 「シーズーに多い緑内障だよ。だから緑に見えるんだ。眼圧が高くなってポップアイになるよ。そのころには目ん玉飛び出して失明してるね。それとこの子は大体6歳ぐらいだな。初老ってとこだ。嘘だと思うなら動物病院行ってごらん」
あまりのショックに開いた口が塞がっていない。残念だが無知が招いた当然の買い物である。私ならただでも金をもらっても要らない。
店 「あれれ~ 奥さんこのプードル気に入っちゃいましたか?この子、特技があるんですよ。スキップができるんです!」
もうお分かりだろう。プードルのスキップと言えばパテラと相場が決まっている。
膝が外れて痛いのでスキップしてるように見えるだけだ。
他にもまだあるらしいが割愛させていただいて続きを進むとしよう。
こんなペットショップから藤田さんは犬を買うことに決めてしまった。
それはそれは美しくて真っ白なメスのマルチーズだった。
来たときから小さかったのでミニーと名づけた。しかし食べても食べても大きくならない。1歳を迎えても2キロに満たない極小のマルチーズに育った。名は体をあらわすと言うが、真にそのように育ってしまったのである。本来の大きさに育ってないため顎が小さくて歯の容量が小さいので乱杭歯になっている。
また、頭部はやや大きいのだが、体がやたら小さくてバランスが悪い。
私も妙に嫌な予感がしたのだが、口は災いの元。何も口出しすることなく見届けていた。
ミニーちゃん3歳(藤田さん宅に来てから。推定9歳)の頃、突然発作を起こして倒れてしまった。
僧帽弁閉鎖不全による心肥大が悪化した結果の心臓発作と思われた。
また、生まれつき気管虚脱でもあってトリプルパンチ状態である。
飼い主の愛情も虚しくミニーちゃんは天へ旅立った。
そして火葬した日、藤田さんから一本の電話があった。
藤 「もしもし犬バカさん?藤田です。ミニー生前は色々お世話になりました」
犬 「いえいえこちらこそ何にもできなくて」
藤 「ところでですね、今火葬が終わったのですが」
犬 「そうですか、今日火葬されたんですね」
藤 「えぇ、そうなんです。でも、ひとつ変なことがありまして」
犬 「変なこと?何ですか?」
藤 「ミニーを火葬したらワイヤーのような金属が出てきたんです」
犬 「金属?」
藤 「火葬場の人の話だと何か骨折して手術しましたか?って聞かれたんです。ミニーは一度も骨折や手術なんてしてないんです」
犬 「ってことは・・・・・」
藤 「背骨にワイヤーのようなものを通して成長を止めてたんではないかと・・・・」
犬 「話には聞いたことあるけど本当にあるんだねぇ。酷いことするなぁ。そこまでして金儲けしたいのかね」
藤 「所詮犬なんて商売道具ぐらいにしか思ってないんでしょうね」
犬 「まぁ、色んな人間がいるからねぇ」
藤 「いい勉強になりました」
犬 「犬だって安かろう悪かろうはあるんだよ。それと残り物に福はないよ」
藤 「分かりました。今度はちゃんとしたブリーダーから買います」
犬 「グレートデン、どう?」
藤 「ちょっと!」
犬 「冗談、冗談」
世の中こうまでして金儲けしたい経営者がいるんだな。
同じ同業者として恥ずかしい一面でもある。こうして亡くなった犬たちのためにも何かしてやりたいと思うのだが、敵は国なので畜生如きに重い腰を上げることは難しいだろうが、私が生きてる間に何かしてやりたいものである。
※補足加筆※
その昔、ペットの競り市場が盛んな頃、子犬だけでなく成犬や老犬までもがベルトコンベアーに流れて二束三文で競り落とされることがあった。また、成犬や老犬が競りに出されなくてもそういった場で仲良くなったショップ同士が売れ残った犬や病気の犬を売買して店頭に並ぶということもあった。
ショップ側はあえて成犬や老犬、病気持ちの犬を専門的に仕入れて箆棒に吹っかけてぼろ儲けしてたという。あくまで私が聞いた話では¥3000で仕入れた偽者の血統書付のシュナウザーがSELE価格で20万で売られていたという。
ミニーちゃんも藤田さんの元に来たときには既に子犬でなかったことから子犬の頃成長を止めて小さく一般受けするために小細工をしてワイヤーなどを入れたのではないかと思われる。
爬虫類は故意に餌を制限させて育つのを遅らせたり、某動物では栄養価の低い食べ物を与えミニマムにするというある種プロの技を巧みに使って売っていることもある。是非とも気をつけていただきたい。