2008年、7月15日午後。東京都渋谷区神宮前のマンションから、東京消防庁に一本の119番通報が入った。

「ハブに噛まれた」

救急車で運ばれたのは港湾作業員の桂木信一被告(41)=動物愛護法違反罪などで起訴された。
桂木被告は 「飼ってるハブに餌をやろうとしたら噛まれたんです」と話したと言う。
毒蛇の種類によって血清は異なる為、ヘビの種類の特定は治療手段を決める重要な手がかりとなる。
しかし医師は桂木被告の言葉に首を傾げたと言う。

「ハブの被害が多い沖縄の病院にも確認したそうですが桂木被告は痺れや呼吸困難などハブに噛まれたケースとは異なる症状を示していた」(捜査関係者)

それでも桂木被告はハブだと言い張った。だが毒が回って急速に具合が悪くなっていく。一時意識を失い、呼吸停止状態になったらしいが、なんとか息を吹き返し、命の危機を感じるにいたってようやく自分を噛んだのが180センチの「グリーンマンバ」だと白状した。

                                   (産経ニュース一部抜粋)


いやぁ実にアホである。
とっさに出た嘘が「ハブ」だとは。
いや、それ以前に毒蛇を飼うこと事態、私は一般人には向かないと感じている。
まぁそれは置いといて。
毒ヘビの毒とは2種類あって、「神経毒」と「出血毒」がある。
ハブは出血毒で、噛まれれば噛んだ場所から組織破壊していき、じき死に至る。
一方この馬鹿を噛んだグリーンマンバはコブラ科のそれと同じ神経毒であるが故、毒性が異なる為、症状が違ってくるわけだ。

グリーンマンバは世界で2番目に強い毒性を持ってることで有名なヘビである。因みに一番の毒性を持ってるのはキングコブラではなく、タイパンというこれまたコブラ科のヘビである。キングコブラは世界一大きい毒蛇というだけであって、もっと強い毒蛇は沢山いる。

結局被告は34種51匹の毒蛇を押収された。
また、その入手先は当初外国人から手に入れたと供述していたらしいが、話しが食い違うことから日本のショップで買ったと後に白状したらしい。また、販売した店は年間1億も荒稼ぎしていたと言う。実に羨ましい話である。

やっぱ真面目に商売してたら稼げないんだな。ベンツ乗ってる奴は何か悪いことしないと乗れないなんて話を聞くが、多少なりとも悪いことしないと稼げないものなのかね?そんなご身分になってみたいものだ。

あんまりヘビの話してると書庫が違ってくるのでそこそこにしておこうと思うが、自分の趣味や欲望のために人を巻き込んでこういった事件を起こして、真面目な爬虫類飼育者に迷惑をかけるのはとんでもない話である。
毒を持ってない爬虫類を飼育してるだけでも冷たい目で見られる社会なのに、こういう一部の馬鹿のせいで趣味というものが規制がかかって厳しくなり、後に爬虫類飼育全面禁止となったらどうするんだ?
私のように売って商売にして生活してる人間だっているんだぞ?現にこの事件でこれからの爬虫類飼育に関する規制は今後厳しくなるのは目に見えている。
また環境省からの通達が来るのも時間の問題だろう。

さて、趣味・・・ではないが、自分の欲求に勝てないアイテムとして身近なのが「タバコ」であろう。
私は大の嫌煙家であるからタバコが今後発売されなくても一切困らないからどうでも良いが、ポイ捨てによる火事、歩きタバコによる事故、副流煙による健康被害。何一つ良いことなんてないものに税金までついて、この欲求の抑えられない依存者の為に場所を提供し、販売まで許可されている。
毒蛇による事件は滅多にないが、タバコによる吸わない人に対する配慮や健康被害に対して国は随分と寛容である。

一説によれば、昨今流通している大麻(マリファナ)の方がタバコより健康的には害が少ない等という話もあるが、いずれにしても依存性のあるアイテムを常に使っていなくては苛々するような弱い人間に何を言っても無駄である。
タバコや大麻、覚せい剤をやってる連中を見る度に「人間って生き物は弱い生き物なんだなぁ」って常々思う。
自分の身体を害し、周りにも迷惑をかけながらも自分の欲求の為ならどうでも良いと思っている人間。非常に悲しい。






この人間の弱さは依存性を変えて現代の若者に集中している。

「ケータイ電話」

今やこれを持っていないと非国民かの如く誰しも持ってるアイテムだが、これもかなり依存性のある道具の一つである。

ある日の事である。若いスタッフ何人かと買い物に行ったときである。
車でもデパートでもファミレスでも、とにかく所構わずみんなケータイを持ってメールしてるのである。

犬 「おいっ!ケータイなんか弄ってねぇで探し物見つけて帰ろうぜ。誰にメールしてんだよ」

ス 「○○ちゃんでーす」

それは居残り組みのスタッフだった。

犬 「そんなら帰ってから話せ馬鹿!」

ス 「は~い・・・・」

シュンとはしているが、ケータイは手から離れない。
返事メールが来ないからだろう、ひっきりなしにメールが何回も入ってくる。

犬 「お前ケータイ貸せっ!」

私は居残り組みのスタッフに電話をした。

犬 「何の用だコラァ!今買い物中だってのテメェ分かってんだろうがボケェ!メールしてる暇があったら仕事しろクソッタレ!!!!」

まさかスタッフのケータイから私が出るとは思ってもいなかったようで、居残り組みのスタッフはかなりビビッていたようだ。帰ってからもびっちり私に叱られたのは言うまでもない。

皆さんも経験ないだろうか?相手がケータイやメールに夢中になってムッとしたことが。
スタッフによると、一番気分を害したのがカラオケボックスで自分の歌の時以外ずっと誰かとメールしてる子を見たときだと言っていた。
便利な道具だがTPOを弁えないと相手の気分を害するのは勿論、依存してそれがなくなると生きていけなくなるかのような錯覚を持つようになってしまう。
” ケータイ依存症 ”という立派な病気があるぐらいだ。病気だから精神科へ通うなら保険もちゃんと利く。

先日高校生の女の子がアルバイトとして入ってきたが、休憩中はずっとメールをしてる。
仕事中もバイブ機能にしているようだが、何回もメールが入ってきてるようだった。
今の若い子ならしょうがないんだろうなと思ったが、あまりにも弁えることを忘れると、社会に出たときに困るだろうと思ったので説教兼ねて一つ質問してみた。

「ねぇ、これが無いと死んじゃうって思うもの3つ挙げてみて」とアルバイトの子に聞いてみた。
返って来た答えは以下の通り。

1、ケータイ

2、メイク道具

3、友達

であった。(犬バカ犬舎調べ)

因みに私は

1、エロ本

2、ティッシュ

3、コンドーム (個人的調べ)

ってまた下ネタになってしまった。すいません。

友達と答える辺りはなんとなく人として嬉しいが、誰かと繋がっていないと不安なんだろうなという事も同時に伺える。
メールによって、ケータイによって友情が繋がってる。通信が途切れれば友情が切れるとでも錯覚してるのか、恐怖感さえ感じているのだろう。だから途切れないようにメールの往復が繰り返されてエンドレスになってしまうのだ。

また、手持ち無沙汰もあるのだろう、ついつい弄ってしまうのも一種の癖と言えば聞こえは良いが、やはり習慣病なんだろうと思う。だから最近じっとすることが出来ない若者が増えている。常に何か持って弄っていないと自分を抑えることが出来ないのだ。





先日仕事を終えて深夜番組を見ていたら、あるアイドルがケータイを没収されて友達と待ち合わせをして遊びに行くという企画の番組があったが、待ち合わせ時間に会うことが出来ず、6~7時間後に偶然会うことが出来て号泣してるシーンがあった。
待ってる間にも会えないことで待ち合わせ場所で涙ぐんでる場面もあったが、今の子にとっては待ち合わせすることも難しいことなんだなって思った。

ケータイがない時代って逆に私なんかどうしてたか分からなくなってしまった。
持っていれば何処にいるか直ぐ分かるから便利ではあると思う。でも、便利すぎて突然の対処が出来ない子が増えてるのも事実だろう。
もしかしたら他に急な用事が出来て行けなかったりするかもしれないし、事故に遭っちゃうかもしれない。寝坊してしまうかもしれない。いろんな「もしも」を予見することが出来なくなってきてる。
ケータイさえ持ってれば大丈夫という過信がとっさに起きるトラブルに対処できなくなってるのだ。
また、ケータイを持ってるが故に「今どこそこにいますのでもう直ぐ着きます」と電話一本入れれば許されると思って平気で遅刻する人も多いような気がする。

遅ればせながら私もケータイを持って1年経つが、別に無くても殆ど支障をきたさない。
大概の話は家からの電話で充分対処できる。昔はそうやって生きてきたでしょ?


ス 「大事な人と話したい時、家の電話じゃ不便じゃないですか?」

という質問。

犬 「必ずケータイに電話すれば相手が100%出てくれるものよりも、親が出るんじゃないか?姉妹が出るんじゃないか?ってドキドキしながら家にかける電話も乙なもんだぞ。今の子の恋愛ってそこら辺が縮小されてダイレクトに相手と繋がっちゃうから恋愛が陳腐なんだよ。不便が起こす恋愛の盛り上がり方ってあると思うぜ」



♪きっと君は来ない~ 
     一人きりのクリスマスイブ~
                 Silent night Holy night♪ (山下達郎・クリスマスイブより)


あと一ヶ月もすればクリスマス、クリスマスで世間は騒がしくなる。町中にこの歌が響き渡るのもそう遠くない。でも、この歌もさぁ、相手とのコンタクト手段が無かったから良い歌詞に聞こえるんであって、ケータイがあったとしたら・・・・


「あと1時間はかかると思う」

「じゃあ、あそこの喫茶店で待ってるよ」


雪が降り注ぐクソ寒い中、外で待ってる必要は無いんだからね。
そうでなくても今日会うべきか、会わざるべきかの答えを相手のケータイに電話すれば何時間も待たないで済むわけだ。

「やっぱりあなたが好き!」

もしくは

「もう、あなたとは会えない。さようなら」

いずれにせよ無駄に相手を待つことなんて必要ない。
そうなるとこの歌の歌詞も時代に合わなくて笑われてしまう時が来るのだろう。

「ケータイ持ってりゃ済む話だろうよ。馬鹿だねぇ」

なんてケータイが無い時代を知らない世代にそのうち一笑されてしまうのだ。
若者達のライフスタイルの中で最も大事にしている恋愛も、ケータイというアイテムがつまらないものにしてる部分もあるのだよ。
不便から学ぶ便利や知恵っていうものも大事にして欲しいな。
道具を利用する立場から道具に利用されて振り回されてる人間。やっぱり人間って弱い生き物なんだなぁ・・・・。