いつも温かいご支援をいただき
本当にありがとうございます。


昨年秋頃、

迷子犬として保健所収容された
一頭のわんこがレスキューされました。

真っ黒なプロットハウンド、
名前は『パン君』と命名。

預かりさんのお宅にて
大切に預かりして頂いておりましたが、
保護後すぐ、盗まれてしまいました。

必死で探すこと数日・・・

警察よりの連絡で無事に保護されたものの、
切り付けられた様な傷を負っての
帰宅でした。

飼い主のお迎えはなく・・・
捨てられたと心に傷を負った所に、
心無い人から身体にまで傷を・・・

こんなことがたび重なりますと、
もう、人に心を開かなくなる仔もいます。

まるで、野犬の様に、威嚇や噛みなど・・・

人と共存することが、
難しい状態になってしまう仔は、
少なくありません。

ですが、パン君。

こんな酷い目にあっても、
人を恨むことも、嫌いになることもせず。。
フレンドリーな状態は変わらずでした。
人懐っこく、大人しく、人が大好きです。


『パン君の幸せ・・・』


それは、スタッフは勿論、
パン君を応援して下さる大勢の方にとっての
願いでもありましたが、、

「幸せになりたい・・・」
そう一番に願ったのは、
パン君だったのではないでしょうか?


「みんなが僕を大好きでいてくれてもね、

僕がみんなを嫌いになったら、幸せにはなれないよね。

だから、僕はみんなを好きでいるよ。

僕を傷付けた人もいるけれど、応援してくれる人の方がたくさんいる。

だから僕は人と生きていくことを諦めないよ・・・」


人を嫌いになってしまえば、
幸せから遠ざかってしまうこと、

パン君は、よく分かっていたのでは?と
思っています。

そうして、応援してくれる人達の気持ちに
報いようとしてくれたパン君・・・

里親会も頑張りました。

トライアルに出発した先でも、
一生懸命頑張りました。

「やっぱり仔犬が良かった」との理由で、
ご家族に受け入れては貰えませんでしたが、
パン君は、その想いも受け止めました。

パン君も、私たちも、諦めず、諦めず。。。

最後の家族を待ちました。

そして、やっと!!
里親様が決定しそうになった時・・・

腎臓の機能が停止してしまっていることが
分かりました。

今年4月。。。

パン君は、あと2~3ヶ月。。
との、余命宣告を受けました・・・


まだ、8~9歳と言われているパン君。。
犬世を閉じるには、早すぎます。

どうしてこんなことに
なってしまったのでしょうか。。。

今、この記事を書いていても、
涙が溢れて来てしまいます。

ですが、泣いていても仕方がありません。

パン君の命を諦めたくはありません。

機能の回復をと期待し、
お薬は勿論、腎臓サポートのフードに併せ、
腎臓に良い食材での手作り食、漢方と、、、

宣告を受けて、間もなく、
食欲が減退し嘔吐するといった、
一時、危機的な状況を迎えたことも
ございましたが、
預かりSさんこと「ざきさん」の
懸命の介護のお陰で、現在は食欲も戻り、
なんとか元気に過ごしております。


先日、代表がざきさん宅へ、
フード代金、フィラリア予防のお薬を
届けに行って来た際に撮影したパン君です。



あと、2~3か月と余命宣告を受けてから
3カ月になろうとしています。

パン君、今また、私たちの期待に応えようと
頑張ってくれているんだね。

ありがとう。。。


「僕の考えに間違いは無かったよ。
僕ね、やっぱり人を大好きでいて良かった・・・」


パン君にそう想って貰えるように・・・

出来る限りのことを続けていく所存です。


人には「輪廻転生」と呼ばれる、
生まれ変わりのシステムがあると
言われています。

人は今世、辛い思いを沢山しても・・
またその経験を生かし、
来世を行き直すことが出来ます。

ですが、動物には生まれ変わりがなく、
たった一度の生だと聞きます。

動物には『今世』しかないのです。

何故、今世しかないのか?については、
またの機会に
書かせて頂けたらと思いますが、

そんな動物にも、

『辛い思いをする為だけに、
産まれてくる仔はいない』です。

人も動物も
「その命・その魂」には役割りがあり、、、

人と動物が共存することで、
互いの成長を促し合うという
使命を持っての誕生です。


里子へ出る道は絶たれ、最後の家族が
『いぬねこホットハウス』
となってしまったパン君。

こうなってしまった今。。

どうぞ、パン君の犬世を通し、
パン君を始めとする動物達は、私達に、
「どんな成長をもたらすために、
産まれて来てくれたのか?」について
考えて頂けますと幸いです。

産まれてくるには、
避妊を怠った、余剰繁殖など、
人間の落ち度も沢山あります。

でも、産まれた限りは何か意味があります。

答えは、それぞれに異なるかと思いますが、
考えることそのものが
『人間を成長させること』へと
繋がるのでは、ないかと思っています。

自らの犬世を通し、
たった1人の人でも成長してくれたら、、

パン君の辛い過去は、
価値ある過去へと変わります。

「みんなのお役に立てた?
それなら僕、すっごく幸せだよ。」

人と生きることを諦めなかった
パン君だから。
そう想ってくれるのではないか?と、
想っていたりします。


モノを言わずに、、
大きいことを教えてくれる動物って、、

本当に偉大です。

本当に愛おしい存在です。

感謝の気持ちを持って
大切にしていきたいです。