手芸部、人形劇部、創作童話部。
そして 英会話部。
さらに 写真部。

小学校から高校までの間に
部活動として所属していたものは 
これらがすべて。
そのまんま、超・文系であります。

運動系の部活に入れば
お祝い金として100万円差し上げましょうと
毎度 両親に言われても、
「そんなあぶく銭、
厳しすぎるであろう日々とは
引き換えになんてならないゼ」と
断固として 運動系部活には入らなかった
筋金入りの文系女子なのでありました。

運動なんて、大嫌い。

とにかく今までずっと
絵を描き
本を読み
文章を書き
音楽を聴いて
映画を観るような
ただ じっと
座ってできることだけが 大好きなことで。

ただ ひたすら 
そればかりしてきたわけなのです。
そんなことを通して
物思いに耽り、
さらにはきっと
これらの行動こそが
崇高で美しいのだろうと
勝手に どこかで
信じている節もあったほどなのです。

そんなワタシが。

本を閉じ、絵筆をしまい、
文章を書くことも忘れてしまうほど
没頭していること。

それは。

スポーツジムに通って 
マシンを使い あちこち鍛え、
もくもくと走り、
ピラティスやら
ヨガやら
とにかく  身体を動かすこと。

運動。

今まで 
なんだか少し恥ずかしいかもと思っていた
汗をかく自分の姿を人目にさらしてまで
ひたすら動き続けているのです。

空いた時間を費やして
人生初 スポーティーな日々!!!!!
こちょこちょとひっそり
家で一人 ヨガをしてみてはいたのだけれど
もっともっと
それはもう 大っぴらにやっているのです。

貧弱な見た目、気弱な性格。
そう言われ続けてきた このワタシが
そのうちに まるで
三島由紀夫氏のように
長渕剛氏のように
はたまた
松本人志氏のように
「アレレ?
たしか華奢なタイプだったはずなのに
いつの間に 
そんなマッチョなスタイルに??」
なんて 言われる日が来るやもしれませんゼ。


今まで。
たとえば誰かの 心無い言葉に 
背中からズバッと斬られ 傷ついて。

それらを
受け流さなくちゃ
忘れなくちゃと
沸き上がってくるモヤモヤを消そうと
あらゆる本を読んでみては
そのうち僧侶のように
達観してみたいと努力してみても
そうはなかなか 上手くいかないもので。

そんなとき
村上春樹さんの、
こんなアドバイスを目にしたのです。

「身体を、動かしなさい。
自分の身体と対話をしなさい。
なんだってかまいません。
集中して 
今すぐ身体を、動かしなさい。」

それを信じて 動き始めました。

ただもくもくと走り
負荷をかけ
呼吸に意識を集中し
身体を伸ばし あらゆるポーズをとってみる。

心拍数は上がり
頭の中では 
いつもと完全に異なる速度の鼓動が響き
息があがり 喉は乾き
普段の生活では得られないほど
深くて数の多い呼吸を幾度も繰り返し
身体のあちこちが
ミシミシと痛み出すとき、
モヤモヤ沸き上がり
グズグズ考え続けてきた
そんなアレコレたちは 
心の中から 
きれいさっぱり消えていました。

たとえその時間だけであっても
クリアでいられること。
なにも浮かび上がらない瞬間があること。

これを、
この感覚を、私は得たかったの。

なんだか小難しく書いてみたけれど。
ただ単純に
身体を動かしているときには
そんな些細で繊細な心模様に
気を取られてなど いられないのです。
きっとただ単純に
それだけのこと、なのです。

でも その単純さに導かれて
そこに 無 があるの。


「世界は、ものすごくシンプルなんだよ。」

「すべてはバランス。
静と動とか、陰と陽とかね。」

ことあるごとに いろんな場面で
誰彼が私に
そっと囁いてくれていたそんな言葉の意味が
ここにきて
やっと わかるのです。

今まで通り 
本を読み 絵を描き
文章を書き。
そして
もくもくと走り
大きく息を吸ってヨガのポーズをとる。

これがワタシにとって
シンプルな心模様を保たせてくれる
単純なバランスのようです。


学生時代の体育の授業以来となる
ワタシのスポーツウェアが
洗濯されているのを見ることは
沸沸とうれしい。


だって すぐに乾くのよ!
いたってシンプルで、素敵に単純なんです。