ワタシの数少ない知人の誰かが 
もしも このブログを読んでいるのなら
この話を読み出した時点で
「マトカって アンタなのかいっ!」と
気がつくのだろうと思うけれど。

きっと それは
うっかり落とした のりたまふりかけの
黄色い卵ツブ ひと欠片を
広ーい砂浜で 見つけるくらいの
奇跡に奇跡を重ねたような確率だろうから
へっちゃらへっちゃらと、書くことにして。



ワタシが
「この世で苦手なこと・ベスト10」に
必ずランキングさせてしまう、
とにかく 
ものすごく苦手なことがあるのです。

ひとに話しても
共感されたことは 今まで一度もないのですが。

そうなのか?
そうなのだろうか?
この広い世界で
似たような感覚の持ち主は
本当にいないのだろうか?



往復三時間以上かけて 車を走らせ
実家に通う今のスタイルだと
必然的に ワタシが苦手とする 
あの行為が発生してしまうのです。
頻度が上がると言いますか。

そもそも、
その行為をしなくていいパターンを選べば
なんの問題もないのだけれど
時々うっかりしていて
もうしょうがない、
このままでは どうしようもないと
その行為を
受け入れなければならないときもあり。

・・・先日も、そうだったわ。

ワタシがこの世で苦手とすること。
今まで誰にも共感されなかったこと。

それは、
『ガソリンスタンドで、「満タン!」と、頼む』ことよ。

コレ、わかっていただけるかしら。

こうして文字として綴ることには
なんの抵抗も感じないのに
なぜなのか まったくわからないけれど
「満タン!」と
口に、言葉に、声に出すことが ダメ。
その響きが 苦手というのか、
自分でも理解できない
謎の羞恥心を覚えるのです。

満タン。
まんたん。
マンタン。

マ・ン・タ・ン。(セーラー服と機関銃風で)

ギャーっっっっっっ!!
恥ずかしい!

なぜだか 恥ずかしくなってきて
耳の下あたりが ゾワゾワしてくるわ。

どうやら 
「タン」より「マン」が より苦手らしく
肉まん、餡まん、ピザまんもダメ。
タワーマンションも
タワマンなんて略さないでほしいし、
ラッツ&スターの桑野信義さんを
桑マンとか言わせないでもらいたい。
マンダムも 満足も 
ジョン万次郎も ケイマン諸島も
声に出したら ゾワゾワするの。


あぁ やっぱり こんなこと
誰にも共感されることはないわねと
書きながら 実感しているところ。

だってあまりにも 馬鹿馬鹿しいもの。

書いていてもバカらしいけれど
読んでいてもバカらしいわね。
なんだか ごめんなさいね。
お時間泥棒、許してたもれ。



今の時代、
セルフスタイルが当たり前になって
本当にありがたい。
もちろん、
スタッフさんのいるスタンドのほうが
窓ガラスなども拭いていただけるし
ありがたいのはやまやまなのですがね。

とにかく どうしても、
「満タン」と言いたくないの。

先日も 
ご近所のセルフスタンドに行くのを
うっかり忘れ、気がつけば
ガソリンの残量も危うくなり
ギリギリの選択で入ったところは
昔ながらの親切なスタッフさんが
給油してくださるスタンドで。

どうせ 行きずりのスタンドよ、
もう二度と訪れることはないだろうから
変人扱いされてもかまわないと腹をくくり、
怖いくらいの超早口で

「ガソリン、いっぱいで!」

と叫び、ドアを閉めました。

満タン、を他の言葉に置き換えようとしても
いい言葉が見つかりません。
満タンって
ガソリンタンクに満ちるほどってことね?
満ち満ち?満杯?満ちたタンク?
要するに
ガソリンタンクにいっぱいってことでしょ?

窓ガラスを3人がかりで拭いてくださるも
なるべく目を合わせないよう
車内で下を向き、
代金を支払うときには
罪悪感を払拭するがごとく
ビッグスマイルで感謝を伝え、
脱兎のごとく
その行きずりのスタンドをあとにしました。



お盆の帰省、渋滞ですよね。
ガソリンの給油をお忘れなく。