片岡鶴太郎さん、ほどではないけれど。
規模としては
足下にも 及びませんけれど。
なかなかのレベルで
熱しやすく 冷めやすいんです、ワタシ。
ある日 突然
ズキュン! と胸に矢が刺さったならば
寝食を忘れて熱中し
どんどん極めて 突きつめてしまう。
朝から晩まで
そのことについて考え、行動し、
気がついたら そこそこのレベルに
達してしまっていたよ!なんてこともある。
なのに これまた
ある日 突然
胸に刺さっていた その矢が
ポロリと抜け落ちてしまうのです。
熱に浮かされていた
あの無我夢中だった日々が 嘘のように。
あんなに好きで 大好きで
気になって 調べて 学びつくし
行動して お金もたっぷりつぎ込んで
かなり近くまで 手繰り寄せ
もう “自分のもの” だと言える、
そんなレベルにまでたどり着いたのに
驚くほど あっけなく
つかんでいた糸を放して
二度とは手元に戻らない 風船のように
天高く 解き放ってしまうのです。
あとも追わずにいて、
そのうち 記憶からも
さっぱりと 失せてしまう。
そのことは ついさっきまで
私の世界の中心であったはずで
あんなにこだわって
あんなに大切にして
誰よりも詳しかったはずなのに。
「ハマってた、あのことについて教えて」
なんて聞かれても
「そんなことあったっけ?」と
平然と答えるくらいに
もう自分のなかには 残っていない始末。
時々、こんな自分が恐ろしくなります。
きっと
熱病のように 毎日浮かされていた、
あの 熱中している「時間」が好きだったの。
その 熱中している「自分」が好きだったのよ。
どんどん熱中し
そのことに近づき、手繰り寄せていく、
まるで
ハンターが獲物を狙っているような
そんな きりきりするぐらいの
息をつめた 狂おしいほどの時間に
きっと私は
たまらなく興奮するのだと思うのです。
一度味わってしまった「興奮」は
それはもう 忘れられない感覚で
ヤバイクスリ、みたいなものでしょう。
だからいつも
その矢に撃ち抜かれたいと
待ち焦がれてしまうのです。
その矢を 「好機の種」と呼ぶのなら
きっとご理解いただけるはず。
こんな どうしようもない性質、
こんな 狩人気質のワタシは
「射手座」なんですが。
誕生日がワタシと とても近い、
同じ射手座の星をもつ義父が
突如
「蕎麦打ち」を始めましたよ。
フフン。
ワタシは 知っているの。
あなたも
熱しやすく 冷めやすい
狩人、だってことをね。