続けてお休みすると
日々 築いてきたペースが乱れて
それをまた 
もとに戻すために
少し 
効率の悪い時間を過ごすことになるのが
好きじゃないなと思っていたもので。

だから 率先して 
ゴールデンウィークにも
自ら出勤することを選んだりして
なるべくそんな
ずっと変わらぬ 同じ手順の
「ルーティン」のなかで
生活していたのだけれど。

生活を変えて
やり方を変えたのだからと
何年かぶりに
ゴールデンウィークを
ゴールデンウィークとして
過ごしてみたら?と。


そして、
旅に出てみた。


山のなかで 鳥の声を聞いたり
美術品を ゆったり鑑賞したり
素敵なところで 食事を楽しんで。

それは
静謐で、豊かな場所。

これ以上はないような
健全な畑からとれた 野菜、
神聖さすら感じる パン。

洗練された新しいもの、
脈々と継がれる 素晴らしい叡智。

プロの仕事の美しさ、
研ぎ澄まされた ホスピタリティー。

思いもしない出会いが そこにはあり、
日常を すっかり忘れていた。

すがた、かたち、色や音。
行為、心情や 意気。
そこだけではなくて
「美しさ」というものは
あらゆるところに宿るのだと、

私など
まだまだ 知り得ない
きっとこの世の
ありとあらゆる場所に
それはあるのだと、

そんなことにも気づかされたこの旅は
やはり いつも通りの
「きっと こうだろう」という
いちばん安心な
自分の「経験的観測」も
無視したからこそ
得られたものかもしれないな。

日々の暮らしに戻っても
手馴れたルーティンを
恋しがることもなく
むしろ
そのルーティンを嫌がるような
ぎこちなさまでもが
かえってうれしいほどなのです。

完成されたルーティン、なのだと
思っていたけれど
やはり そうではないようで
変わりゆくことも
変えていくことも
必要であって。

新たな時代の、
削ぎ落としたり
付け足したりの感覚は
「いつもの通り」では見つけられない
さじ加減なのかもしれないな。

さらば!ルーティン!
なんて強気で思ったり。
臆病だから
今までは 持ってなかった発想だわ。


そうだ、まだまだ
旅に出ようじゃないか。