言葉本来の意味じゃなくって
皮肉でもなく 良い意味で、
「人たらし」なんだと思うのですよ、
その人は。

性別問わず、いつもなぜだか
まわりにたくさんの人が集まり
話しやすくて
優しくて
さりげなく 気が利いて。

メールの文面などからも滲み出る、
その朗らかな感じとか
頼りがいある、アニキな性格とか
誰も どんなことでも まず否定しない
器の大きさとか。

ついでに、とってもマメなんです。
誰にたいしても等しく、マメなんです。
普通なら
面倒だなって思っちゃうようなことも
自然に さらりとやってのける。
実にスマート。
しかも 好きでやってることだから
その行為には、無理がない。

だから、誰からも好かれてる。
だから、当然モテちゃって。

見た目の
オトナな佇まいとは ウラハラに
コドモのように
さみしがりなところもあって。

そりゃ、モテるわよね。

その結果
結婚 離婚を繰り返してきちゃったのだけれど
モテちゃうから
まぁ、仕方がないよねって。

本人も、
恋とか愛とか
いくつになっても追い求めていくと
高らかに宣言しているのだから
その辺りは
非常に アグレッシブ。

そんな人が、
人生最後の恋に落ちたと言うのです。

ウキウキしたり
落ち込んだりと
その 恋する様子は
高校生のよう。
いや、今時の高校生の方が
もっと グッと
落ち着いているんじゃないのかしら?

何はともあれ
最後の恋に落ちた 
今更 ウブなオトナのオジさんは
その最愛の人のために生きると決めて
なんだか 人が変わったように。

人たらし、なトコロが消え失せた。
政治家にでもなれば良いのにと
半ば本気で勧めていた
あの天賦の才、人たらし。
あれが すっかり消え失せた。

今までなら、誰と恋に落ちようと
その「才」が消え失せたことなど
一度も なかったのに。

「身も心も、捧げている。」
と 彼は言い、
「まわりは もうどうでもいい。
もう ただ あなただけ。」
だそうな。

オトナの恋は
器用にやろうと思えばできるもの。
さぐりさぐり。
経験がものをいうのか
はたまた 邪魔をするのか。
もしもの時には
なるべく傷つかないようにと
ある程度の緩衝地帯を持つような、
守る術を持つような。

それもないまま
丸裸で、挑んでいる。

討ち死にしたって いいのだそうな。
これが 最後の恋だから。

その辺の恋愛小説も
その辺に転がるラブソングも
真っ青なほど。

かっこいいじゃん、と思いました。
そんなドラマチックなセリフ、
私もはいてみたかった。
そこまでのめり込んで大丈夫かな?と
外野は 要らぬ心配をしがちですが
人生1度くらい
常軌を逸する恋をするのも
オツなものです。

わかったよ、もしもの時には
骨を拾ってあげるから。

それにしても
そこまでの気持ちにさせる、
相手の女性って。
きっと ものすごく
いいオンナ、なんだろうな。


あぁ。

家に こもっていた間に、
世の中は
春、だったな。