言ってしまえるものならば
言ってしまいたいことがある。

何だかんだと あげつらう、
そんな騒ぎなんぞは
起こさぬ方が良いのだと
黙ったまんま、
このまま 墓まで持っていくわよと
そのくらいの心持ちではありますが。

そこは 凡夫なワタクシですもの
時々、無性に
言ってしまいたい!
そしたら スカッとするだろな!
なんて
そんな衝動に
ワナワナ もだえるときもあり。

このままじゃ
ちょっと悔しいからと
地面を掘って掘って、掘りまくり
その穴に向かって
大声で叫んでしまえたならば
どんなにすっきりするだろうかと
そんな妄想に耽りながら
眠りにつくと。

そんな晩に見る夢は、
叫んだ穴を しっかり埋めて
「なかったこと」にしたはずなのに
その地面に咲いた花々からは
例の 禁断のお話が
囁くように聞こえてしまうという、
王さまの耳はロバの耳の
オチのひとパターン そのまんまな
そんな結末が待っていて
うなされて うなされて
うなされついでに 起きねばならぬ、で 
ちと つらい。


わざわざ こちらが口にしなくとも
きっとそちらは
わかっているのだろうなと
わかってやっているのだろうなと思うから。
そちらもきっと 
モヤモヤして
おつらいことでしょうなと思うから。
それは
ちょっと可愛くって、
なんだか
ちょっと可哀相だわ。

だから こちらは
見て見ぬふりして
知らんぷりの対応です。
黙っておきます、このままで。
それが
ワタシの心意気、って。

なぁーんて、
それって 
粋なのか?
やせ我慢なのか?

できれば、粋 でありたいな。