片づけにおいて
もっとも 
注意しなければならないことなのだ、
ということは わかっていました。

決して
まじまじと見てはいけない。
決して
ながながと手にとっていてはいけない。
ましてや
開くなんて もってのほか。

わかっていました。
わかっちゃいるのに。

罠に はまってしまいました。
奴らの罠に 
しっかりと はまってしまいました。



あぁ、思い出よ。
あぁ、思い出たちに 囚われて。

まんまと 捕らえられてしまいました。

アルバムの誘惑。
文集から醸し出される、オモシロの予感。
子どもの頃の 訳のわからぬ構図の絵。
懐かしいあの人からの 手紙。

だ、だめ、だめよ・・
見ちゃだめなのよ~!

と、頭ではわかっているのに
オモシロ臭がムンムンの
あれやこれやを 拒否するなんて 
絶対無理。

まんまと 罠に はまってしまい
案の定
今日は 片づけ進まず。

あの頃 キミは若かった、
ついでに私も若かった!
ページをめくる度
あはははは!と転げ回って 大笑いして
気づけば もう、夕暮れ。

今日は
楽しく過ごせて
良かったな ということで。

あぁ 恐るべし、アルバムの罠よ。
あぁ 恐るべし、思い出の誘惑よ。