人間、嫌いなものにほど
敏感に反応してしまうものであります。
いけ好かない人の
気に障る発言とか思想とか態度とか。
わずかなことでも
嫌いだと思っているから
異様なほどクローズアップされたように
感じたりもして。
そもそも、嫌いだと思っているのは
相手のことを常に気にしてるようなもので
「あぁ、もう そんなのどうでもよいわっ」
と思う域に達したなら
どうでもいいから 気にも留めません。
好きと嫌いは紙一重と言いますが
好きだ嫌いだと
言われているうちが華なのです。
いちばん怖いのは、
まったく興味を持たれなくなること。
炎上するうちが華、なのでしょう。
そんなこんなで 唐突ですが
私は 牛乳が嫌いです。
もう 忘れてしまいたいの と思うけれど
そういうわけには いかない存在。
食品の「牛乳、ミルク」の文字に
いちいち 怯え、反応してしまう。
まだまだ修業が 足りん!のです。
素のままの牛乳を飲んだのは
義務教育時代が最後。
牛乳関係の各方面の方々には
非常に申し訳ないですが
もうずっと 苦手なままで生きています。
給食に牛乳が出るのは当たり前の時代で
出されたら飲む以外ないわけで。
パンだろうが 麦ご飯だろうが
うどんだろうが 冷やし中華だろうが
牛乳は いつも登場。
給食の牛乳は残すの禁止!という
厳しいルールのもと 生活していましたが
毎日の苦行に耐えきれず
ある日、
「もう これ以上飲めないよ‼」
と叫び、教室を脱走。
校庭を激走し、
フェンスをよじ登り 学校を脱出。
田畑を横切り、家に帰ってしまうという
偉業を成し遂げました。
いやぁ、子どもでも
火事場の馬鹿力ってあるものですね。
実に おおらかな時代で、
これも今や いい思い出です。
そんな素敵な思い出もあり
いまなお 苦手なまま。
洒落たセレブな避暑地の
ミルク感溢れるソフトクリーム、
ミルキーな生クリームのケーキ、
フレッシュミルクのジェラート・・・
豊潤なミルクでいっぱいです。
混ぜ込まれ、
「あの味はしないよ」と言われても
嫌いなものほど 敏感に反応してしまうもの。
イチゴもバナナもチョコレートも
それらを凌駕する、豊かなミルクの味よ!
牛乳嫌いを直すため、
おみそ汁に入れられた時には
口にする前に 気が付くという
スパイ並みの
研ぎ澄まされた感覚を発揮しました。
「嫌い」というのは そんなもの。
ついつい 過剰に気にしちゃう。
永遠に
気にかけながら生きていくのでしょう。
イヤよイヤよも 好きのうち。
ある意味、
永遠の蜜月関係にある
「私と牛乳」なのであります。