とうとう タバコをやめました、
愛煙家の 父が。
私の知る限り、禁煙活動を
何度も何度も何度も何度も何度も
何度も何度も何度も何度も何度も
しておりましたが
成功したことはなく、
愛煙家として
人生をまっとうする気なのだなと
ぼんやり認識しておりました。
海外旅行もタバコが吸えないから
行きたくないと言う男。
お医者に止められようが
どれだけ値上がりしようが
孫に嫌がられようが
愛犬に吠えられようが
僕はタバコをやめないぜ!と
嫌煙のこのご時世に
強すぎるタバコ愛を語り、
なかば
やけっぱち感も醸し出しておりましたが。
なぜ、今!
なぜ、いまさら!
このタイミングでやめたのか?
いまさら突然に やめたというので
何か病気でも発覚したのかと
不安に思っておりましたが
おかげさまで そうではなく。
愛煙家卒業のきっかけは
なんと、
『高級車』
車がきっかけで
この長すぎた 喫煙者生活に
終止符を打ったというのです。
めっきり 運転能力も落ちてきて
駐車場に停めるのも
なんだか怪しい、
そんなお年頃なのに
突然 某高級車を欲しがる父。
無謀すぎます、無茶すぎる。
もう父の腕では 扱いきれないはずです。
「歳のことも考えて もうおよしなさいな。
この先、どれだけ乗れるというの?
そもそも そんな財力はありません。」
そう 直球で言われ
動揺した 我が父、タバコをふかす。
「例えば そのタバコ。
今まで吸った そのタバコの金額を
全部足したなら、
きっと良い車が買えたでしょうね。」
「・・・・・」父、無言。
「欲しい車のもっと良いグレードの、
タバコ吸わなきゃ買えてたでしょうね。」
追討ちをかけた この言葉に
自分が いかに 今まで
金銭を煙に換えてきてしまったのかを
しみじみ心底感じたそうです。
煙と消えた・・虚しくも。
思い知った父、
某高級車をあきらめ、
タバコも卒業すると
決意したのでありました。
父よ、泣かないで。
新たな道には
安全と健康が待っているわ。
煙で目が霞み、
真実を見失うこともあるのよ。
スモーク・ゲッツ・イン・ユア・アイズ。