欲望のままに
世の中の約束も破ってしまいたいほどの
駄々っ子になりたい時があったとしても
まわりに与える迷惑を考えたら
そうもいかないよね と
そんな駄々っ子を
理性で押し止めて
そ知らぬふりで 見なかったことにして
いつものように 1日を過ごすのです。

大人は 自由に見えても
案外 縛られているもので
本当はそんな制約、
ないのかもしれないのだけど
それでも
世に言う 常識や
分別という尺度があるものだから
律して  生きているのです。
それが世の中の
秩序の 小さな欠片なのだろうから。

押しちゃいけないボタンは
やっぱり押しちゃいけなくて。

それでも やっぱり押したいと
もしも押すことに決めたのなら
その結果 起こりうること、
例えば 誰かを泣かすのならば
すべての責任を背負って
後ろ指さされることも
罵倒されることも
すべて引き受ける覚悟を決めて
押さなきゃいけない。

押した後で 
批判されるやいなや
中途半端な言い訳や
嘘をつかなきゃならないような
そんな甘い覚悟なら
始めから
ボタンに手をかけることすら
しちゃいけない。

駄々っ子は
きっと誰にでも  
予期せぬところで現れる。
ボタンを押したくなったとしても
押さない理性があるのなら。


制約の中から見る
外の世界は 異様に輝いているが
それは 歓楽街の
ネオンみたいなものかもしれない。
いずれ 朝が来れば
本来の姿を知る。

掴まれた袖を
振り払って飛び出した先の自由は
自分が招いた
無秩序な世界で
いずれ 自分が
掴んでいる袖を振り払われて
地面に膝をつく
そんな日も来るのかもしれない。