若い頃、
庭を設計する仕事に就いていました。
忙しいけど、とても楽しかった。

一世一代の大仕事、
家を建てるということ。
その外回りは、そのお宅の顔です。
あんな若造の私を信じて任せて
大金をかけてくれる。
責任重大ですが、幸せなことでした。

毎日、毎日、
その家族のことを考えて
日々の暮らしを、未来を想像して
心を込めて描いていました。
(あの頃はまだドラフターで手書きの図面が
造園外構業界では主流だったのです)

とうとう契約が決まり
図面が決定稿になると、
私はいつも図面に向かって願いました。

「どうかこのご家族が
いつまでも仲良く
幸せに暮らせますように!」

私には何のパワーもありませんが、
大切な家作りに
参加させていただけたこと、
私を信じて描かせてくださったこと。
それは、ささやかですが
心を尽くした感謝の気持ちでした。


幸せになりたいとは
誰しも願うことだけど、
自分だけの願いより
まわりのひとにも想ってもらえたなら…
きっと最強の後押しになります。

でも
他人に私の幸せを願ってもらう
なんてことは
お金を出して買えるものでもありません。

人に幸せを願ってもらえるということ。
応援してもらえるということ。

ちなみに私の場合。

まだ経験浅い、私を信じてくれたから
それがとてもうれしくて

信じて任せてくれた
そんなあなたの幸せを

今も願っているのです。