【中国とロシアは、極超音速兵器の開発および配備においてアメリカを圧倒していることについて】
1. ロシアおよび中国の極超音速ミサイル
10月下旬、中国とロシアの軍艦10隻が日本海から津軽海峡を通過して太平洋へ進出、そこから本州東側を南下し、大隅海峡を経て東シナ海へ戻りました。中ロ艦隊は日本列島をほぼ1周しました。


すでに一部のロシア軍艦にはマッハ9の高速で飛行する極超音速・対艦巡航ミサイル「ツィルコン」が実戦配備されています。アメリカ軍には、マッハ9の高速で飛来する「ツィルコン」に対する防御手段がありません。[1]

[ロシアの極超音速・対艦巡航ミサイル「ツィルコン」]

さらに、ロシアは海中の潜水艦から「ツィルコン」を発射する実験にも成功しています。[2]

今回の艦隊行動においても、中国とロシアの攻撃型潜水艦が海中で警戒に当たっていたと推測されます。
また、中国も、すでに極超音速巡航ミサイル「DF-100」を実戦配備しています。アメリカ軍には、極超音速巡航ミサイルに対する防御手段がありません。

[中国の極超音速巡航ミサイル「DF-100」]
2. ロシアおよび中国の極超音速滑空体
さらに、ロシアは、「アバンガルド」と呼ばれる極超音速滑空体、中国も「DF-17」と呼ばれる極超音速滑空体を実戦配備しています。
従来の大陸間弾道ミサイルが予測可能な高高度の放物線軌道を飛行するのに対し、極超音速滑空体は低高度の大気圏上層部を不規則にバウンドしながら滑空するため、アメリカのミサイル防衛システムでは迎撃が不可能です。
特に中国は、今年8月に極超音速滑空体の発射実験を行い、地球を周回させた上で目標に着弾させることに成功したと伝えられています。地球上のどの地点に対しても極超音速滑空体による攻撃が可能であることを証明したことになります。[3]



これに対し、アメリカは、極超音速巡航ミサイルの実験および極超音速滑空体の実験に何度も何度も失敗し続け、ようやく先月、初めて空中発射の極超音速巡航ミサイルの実験にかろうじて1回だけ成功しました。しかしながら、その後の実験でまた失敗しました。実戦配備は遠い先の話です。[4][5]
一方、ミサイル防衛に関していえば、ロシアは、S500という地対空ミサイルシステムを保有しています。そのため、アメリカの弾道ミサイルを迎撃することが可能です。中国は、ロシアからS400という地対空ミサイルシステムを輸入しています。そのため、中国もアメリカの弾道ミサイルを迎撃することが可能です。
これに対し、アメリカは弾道ミサイルに対する迎撃システムは保有しますが、極超音速滑空体に対する迎撃手段を保有しません。このため、もしロシアあるいは中国がアメリカを極超音速滑空体で攻撃すれば、アメリカの諸都市を壊滅させることが可能です。
(追記:その後の報道によると、中国は7月の極超音速滑空体の実験において、なんとマッハ5で飛行する極超音速滑空体から飛翔体を発射することに成功していたそうです。相手方の迎撃システムを欺罔するための対抗装置(countermeasure)、あるいは、いわゆる「Fractional Orbital Bombardment System: FOBS(部分軌道爆撃システム)」の実験と推測されます。
たとえば、着弾直前、極超音速滑空体が相手方レーダーの照射範囲内に入った際に、相手方のレーダーを欺罔するため、レーダー波を反射する囮の飛翔体を発射する実験を行ったものと推測されます。極超音速滑空体の迎撃がますます困難になります。
あるいは、マッハ5で飛行する極超音速滑空体を迎撃不可能な爆撃機として機能させ、極超音速滑空体から核ミサイルを発射させる実験だったのかも知れません。「Fractional Orbital Bombardment System: FOBS(部分軌道爆撃システム)」と呼ばれています。アメリカはもちろん、ロシアも実現出来ていない技術です。[6]
過去5年間で、中国は数百回もの極超音速兵器の実験を行ったのに対し、アメリカはわずか9回しか極超音速兵器の実験を行っていません。[7]
アメリカ国防総省は、ロッキード、レイセオン、ノースロップーグラマンの3社に対し、極超音速滑空体に対する迎撃ミサイルの開発契約を与えたそうですが、アメリカが何年もかけて迎撃ミサイルの開発をしている間に、中国の極超音速滑空体の性能はさらに進化しているでしょう。アメリカは、中国の開発スピードについていけません。)
3. 日本は中立を宣言し、中国とアメリカとの間の「緩衝国家」となるべきであること
日本人は、日本がアメリカの核の傘によって守られていると思っていますが、すでにアメリカ自体がロシアおよび中国の極超音速滑空体(核弾頭装着可能)から自分たちを守れない状態です。
アメリカには日本を守る軍事力はありません。もしアジアで紛争が起きれば、アメリカの第7艦隊はイージス艦であれ、空母であれ、ロシアの「ツィルコン」あるいは中国の「DF-100」の餌食となるでしょう。また、アメリカの核の傘も機能しません。したがって、日米安保条約は無意味です。日米安保条約には、米中紛争の際、日本を戦場にする意味しかありません。
中国の習近平主席は、中国がより一層強力な軍事力を持つよう国民に呼びかけています。ロシアも引き続き軍事力の強化を続けます。一方、アメリカは技術者不足で兵器の開発が鈍化しています。今後、ロシア軍および中国軍の攻撃力・防御力とアメリカ軍の攻撃力・防御力の差は開くばかりです。
このような軍事的状況の下、日本はアメリカの衛星国家であることを止めるべきです。むしろ日本は中立を宣言し、中国とアメリカとの間の「緩衝国家」となるべきです。それが、日本が強大な軍備を持つことなく、独立を獲得する唯一の方法です。
もし日本が中立を宣言し、中国とアメリカとの間の「緩衝国家」となれば、太平洋地域におけるアメリカの軍事力はハワイまで後退し、中国とアメリカとの間に平和を維持するための十分なスペースが生み出されます。
もちろん、日本が中立を宣言し、中国とアメリカの間の「緩衝国家」となったあとも、日本はアメリカとの良好な経済関係を維持することになります。

一方、日本が中立を宣言し、中国とアメリカとの間の「緩衝国家」となった場合、日本保守派は国防のため日本は核武装すべきであると主張するでしょう。日本は核武装すべきではありません。
日本が核武装に進んだ場合、中国は日本に対し再三警告したのち、それでも日本が核武装への動きを止めなければ、日本に対し核先制攻撃を含む武力行使を行うでしょう。中国は、日本が核武装すれば必ず中国に対して使用するということが分かっているからです。
むしろ、日本は中立を宣言し、中国とアメリカの間の「緩衝国家」となったのち、朝鮮半島と日本列島を含む地域を「北東アジア非核兵器地帯」とするよう国際社会に働きかけるべきです。

日本は中立を宣言し、中国とアメリカとの間の「緩衝国家」となるべきです。それが、日本が強大な軍備を持つことなく、独立を獲得する唯一の方法です。
参照資料:
(1) "Russian Tsirkon Hypersonic Missile Concludes Flight Trials from Warships", September 29th 2021, Defenseworld.net
(2) "Russia test fires hypersonic missile from submerged submarine", October 4th 2021, Times of Malta
(3) "China tested new space capability with hypersonic missile: Report", October 17th 2021, Al Jazeera
(4) "U.S. successfully flight tests Raytheon hypersonic weapon -Pentagon", September 28th 2021, Reuters
(5) "Rocket failure mars U.S. hypersonic weapon test as others succeed", October 22nd 2021, Reuters
(6) "Chinese hypersonic weapon fired a missile over South China Sea", November 22nd 2021, Financial Times
(7) " ‘Hundreds’ Of China Hypersonic Tests Vs. 9 US; Hyten US Moves Too Slowly", October 28th 2021, Breaking Defense
註記: 上記の見解は、私個人のものであり、いかなる団体あるいは政党の見解をも反映するものではありません。
私自身は、いずれの政党・政治団体にも所属していません。あくまでも一人の市民として、個人として発言しています。民主主義と平和を実現するために発言しています。
1. ロシアおよび中国の極超音速ミサイル
10月下旬、中国とロシアの軍艦10隻が日本海から津軽海峡を通過して太平洋へ進出、そこから本州東側を南下し、大隅海峡を経て東シナ海へ戻りました。中ロ艦隊は日本列島をほぼ1周しました。


すでに一部のロシア軍艦にはマッハ9の高速で飛行する極超音速・対艦巡航ミサイル「ツィルコン」が実戦配備されています。アメリカ軍には、マッハ9の高速で飛来する「ツィルコン」に対する防御手段がありません。[1]

[ロシアの極超音速・対艦巡航ミサイル「ツィルコン」]

さらに、ロシアは海中の潜水艦から「ツィルコン」を発射する実験にも成功しています。[2]

今回の艦隊行動においても、中国とロシアの攻撃型潜水艦が海中で警戒に当たっていたと推測されます。
また、中国も、すでに極超音速巡航ミサイル「DF-100」を実戦配備しています。アメリカ軍には、極超音速巡航ミサイルに対する防御手段がありません。

[中国の極超音速巡航ミサイル「DF-100」]
2. ロシアおよび中国の極超音速滑空体
さらに、ロシアは、「アバンガルド」と呼ばれる極超音速滑空体、中国も「DF-17」と呼ばれる極超音速滑空体を実戦配備しています。
従来の大陸間弾道ミサイルが予測可能な高高度の放物線軌道を飛行するのに対し、極超音速滑空体は低高度の大気圏上層部を不規則にバウンドしながら滑空するため、アメリカのミサイル防衛システムでは迎撃が不可能です。
特に中国は、今年8月に極超音速滑空体の発射実験を行い、地球を周回させた上で目標に着弾させることに成功したと伝えられています。地球上のどの地点に対しても極超音速滑空体による攻撃が可能であることを証明したことになります。[3]



これに対し、アメリカは、極超音速巡航ミサイルの実験および極超音速滑空体の実験に何度も何度も失敗し続け、ようやく先月、初めて空中発射の極超音速巡航ミサイルの実験にかろうじて1回だけ成功しました。しかしながら、その後の実験でまた失敗しました。実戦配備は遠い先の話です。[4][5]
一方、ミサイル防衛に関していえば、ロシアは、S500という地対空ミサイルシステムを保有しています。そのため、アメリカの弾道ミサイルを迎撃することが可能です。中国は、ロシアからS400という地対空ミサイルシステムを輸入しています。そのため、中国もアメリカの弾道ミサイルを迎撃することが可能です。
これに対し、アメリカは弾道ミサイルに対する迎撃システムは保有しますが、極超音速滑空体に対する迎撃手段を保有しません。このため、もしロシアあるいは中国がアメリカを極超音速滑空体で攻撃すれば、アメリカの諸都市を壊滅させることが可能です。
(追記:その後の報道によると、中国は7月の極超音速滑空体の実験において、なんとマッハ5で飛行する極超音速滑空体から飛翔体を発射することに成功していたそうです。相手方の迎撃システムを欺罔するための対抗装置(countermeasure)、あるいは、いわゆる「Fractional Orbital Bombardment System: FOBS(部分軌道爆撃システム)」の実験と推測されます。
たとえば、着弾直前、極超音速滑空体が相手方レーダーの照射範囲内に入った際に、相手方のレーダーを欺罔するため、レーダー波を反射する囮の飛翔体を発射する実験を行ったものと推測されます。極超音速滑空体の迎撃がますます困難になります。
あるいは、マッハ5で飛行する極超音速滑空体を迎撃不可能な爆撃機として機能させ、極超音速滑空体から核ミサイルを発射させる実験だったのかも知れません。「Fractional Orbital Bombardment System: FOBS(部分軌道爆撃システム)」と呼ばれています。アメリカはもちろん、ロシアも実現出来ていない技術です。[6]
過去5年間で、中国は数百回もの極超音速兵器の実験を行ったのに対し、アメリカはわずか9回しか極超音速兵器の実験を行っていません。[7]
アメリカ国防総省は、ロッキード、レイセオン、ノースロップーグラマンの3社に対し、極超音速滑空体に対する迎撃ミサイルの開発契約を与えたそうですが、アメリカが何年もかけて迎撃ミサイルの開発をしている間に、中国の極超音速滑空体の性能はさらに進化しているでしょう。アメリカは、中国の開発スピードについていけません。)
3. 日本は中立を宣言し、中国とアメリカとの間の「緩衝国家」となるべきであること
日本人は、日本がアメリカの核の傘によって守られていると思っていますが、すでにアメリカ自体がロシアおよび中国の極超音速滑空体(核弾頭装着可能)から自分たちを守れない状態です。
アメリカには日本を守る軍事力はありません。もしアジアで紛争が起きれば、アメリカの第7艦隊はイージス艦であれ、空母であれ、ロシアの「ツィルコン」あるいは中国の「DF-100」の餌食となるでしょう。また、アメリカの核の傘も機能しません。したがって、日米安保条約は無意味です。日米安保条約には、米中紛争の際、日本を戦場にする意味しかありません。
中国の習近平主席は、中国がより一層強力な軍事力を持つよう国民に呼びかけています。ロシアも引き続き軍事力の強化を続けます。一方、アメリカは技術者不足で兵器の開発が鈍化しています。今後、ロシア軍および中国軍の攻撃力・防御力とアメリカ軍の攻撃力・防御力の差は開くばかりです。
このような軍事的状況の下、日本はアメリカの衛星国家であることを止めるべきです。むしろ日本は中立を宣言し、中国とアメリカとの間の「緩衝国家」となるべきです。それが、日本が強大な軍備を持つことなく、独立を獲得する唯一の方法です。
もし日本が中立を宣言し、中国とアメリカとの間の「緩衝国家」となれば、太平洋地域におけるアメリカの軍事力はハワイまで後退し、中国とアメリカとの間に平和を維持するための十分なスペースが生み出されます。
もちろん、日本が中立を宣言し、中国とアメリカの間の「緩衝国家」となったあとも、日本はアメリカとの良好な経済関係を維持することになります。

一方、日本が中立を宣言し、中国とアメリカとの間の「緩衝国家」となった場合、日本保守派は国防のため日本は核武装すべきであると主張するでしょう。日本は核武装すべきではありません。
日本が核武装に進んだ場合、中国は日本に対し再三警告したのち、それでも日本が核武装への動きを止めなければ、日本に対し核先制攻撃を含む武力行使を行うでしょう。中国は、日本が核武装すれば必ず中国に対して使用するということが分かっているからです。
むしろ、日本は中立を宣言し、中国とアメリカの間の「緩衝国家」となったのち、朝鮮半島と日本列島を含む地域を「北東アジア非核兵器地帯」とするよう国際社会に働きかけるべきです。

日本は中立を宣言し、中国とアメリカとの間の「緩衝国家」となるべきです。それが、日本が強大な軍備を持つことなく、独立を獲得する唯一の方法です。
参照資料:
(1) "Russian Tsirkon Hypersonic Missile Concludes Flight Trials from Warships", September 29th 2021, Defenseworld.net
(2) "Russia test fires hypersonic missile from submerged submarine", October 4th 2021, Times of Malta
(3) "China tested new space capability with hypersonic missile: Report", October 17th 2021, Al Jazeera
(4) "U.S. successfully flight tests Raytheon hypersonic weapon -Pentagon", September 28th 2021, Reuters
(5) "Rocket failure mars U.S. hypersonic weapon test as others succeed", October 22nd 2021, Reuters
(6) "Chinese hypersonic weapon fired a missile over South China Sea", November 22nd 2021, Financial Times
(7) " ‘Hundreds’ Of China Hypersonic Tests Vs. 9 US; Hyten US Moves Too Slowly", October 28th 2021, Breaking Defense
註記: 上記の見解は、私個人のものであり、いかなる団体あるいは政党の見解をも反映するものではありません。
私自身は、いずれの政党・政治団体にも所属していません。あくまでも一人の市民として、個人として発言しています。民主主義と平和を実現するために発言しています。