【日本の民主主義復活のためには、労働組合活動の活発化が必要であることについて】

私の2017年12月28日付ブログ記事「来るべき官製バブルの崩壊と政権交代、外国資本による支配の深化について」に賛同して下さった方(労働組合副委員長)からTWEETで、次のようなご質問をいただきました。

「日銀による株の買い支えが効かなくなったとき、安倍政権は崩壊する。 黙って待つだけなのか? 安倍退陣が早ければ早いほど被害は少なくてすむ。」

このご質問に対する私の回答は以下の通りです。

黙って待つ必要はありません。海外では、経済的政治ストが盛んに行われています。たとえば、フランスでは、マクロン大統領が推し進める労働改革への抗議を理由として、全国でデモやストライキが行われました。フランスの国鉄は、3カ月間の予定で大規模なストライキに入りました。[1][2]

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また、韓国では、パク前大統領の退陣を求め、労働組合が大規模なデモを続けました。[3]

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労働組合がデモやストライキを通じ、政治的主張を行うことが必要です。

この点、日本の最高裁は、労働組合が政治的主張のためにストライキを行う、いわゆる政治ストは違法との立場を取っています。

しかしながら、日本でも、最低賃金の向上といった労働者の経済的地位に関係する経済的政治ストは違法ではないという学説があります。[4]

また、労働条件の向上を第一目標とし、副次的に政治的主張を行うストライキは不当とはいえないという考え方もあります。 [5]

そのため、野党は、経済的政治ストは適法とする法案を、共同で国会に提出し、組合活動の活発化を促すべきです。

日本の労働組合は、安倍政権の働き方改革に抗議して、経済的政治ストを断行すべきです。

原発周辺地域の労働組合は、原発再稼働が、労働環境・労働条件を著しく阻害するとして、経済的政治ストを行うべきです。

ストライキを通じて、企業に痛い思いをさせない限り、政治も企業行動も変わりません。

組合の規模にかかわらず、まずいずれかの組合が、安倍政権の働き方改革に反対する経済的政治ストを行うべきです。それに続く組合が必ず現れます。

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日本国民のみなさんが、自由と権利、平和と独立を得たいのであれば、民主主義を進化させ、国民のみなさんが決定権を持つ必要があります。そのためには、ドイツのように、労働組合の活動を活発化させるとともに、各地域に多様で活力のある中小企業を成立させ、地方政府の権限を強め、再生可能エネルギーを通じた、分散型の経済成長を実現させて行く必要があります。

民主主義は、共同行動です。自分ひとりが得をしようとするのでなく、みんなで協力して権利と自由を獲得して行く。それが、民主主義です。


参考資料:
(1) "Tens of thousands of public sector workers strike across France", March 22nd 2018, The Guardian

(2) 「仏国鉄がスト入り 3カ月予定 マクロン氏改革に抗議」、2018年4月3日、BBCニュース

(3) 「韓国:『退陣求めデモ継続』労組の広報担当者」、2016年11月26日、毎日新聞

(4) 「政治目的の争議行為は許されるのでしょうか?」、ユニオン・合同労組Online

(5) 「ストライキの種類」、労働組合対策相談室