【民主主義に支えられたメルケル首相と北朝鮮問題の外交的解決について】

北朝鮮の完全破壊の可能性に言及したトランプ大統領に対し、ドイツのメルケル首相が明確に反対の立場を表明、北朝鮮問題は外交を通じた解決が唯一の解決であると明言しました。

これこそまさに各国の指導者が取るべき立場であると思います。メルケル首相が、各国指導者の手本となるべきです。

メルケル首相が、明確にアメリカに反対する立場が取れるのは、ドイツにおいては民主主義が徹底し、国民ひとりひとりが政治に参加し、政権をしっかり支えているからです。

メルケル首相は、北朝鮮はドイツから遠いけれども、北朝鮮の問題はドイツに影響を与える、したがって、ドイツは北朝鮮問題の解決に責任を持つべきであると発言しています。

仮に東アジアで紛争が起これば、中国が紛争の対応に追われることになります。中国とヨーロッパの経済的連携を進める「一帯一路」政策にも遅れが出るでしょう。その意味で、ドイツは北朝鮮問題に利害関係を持ちます。

ドイツは、国連常任理事国の5カ国にドイツを加えた6カ国協議を通じてイランと交渉し、イランの核開発問題を外交を通じて解決した経験を持ちます。

日本および韓国は、ドイツと協力し、ドイツの貴重な経験に学びながら、北朝鮮問題の外交を通じた解決に専念すべきです。

そのためにも、まず日本において政権を交代し、北朝鮮問題の外交的解決を進める政権を樹立すべきです。

次期総選挙の争点は、「自公政権を継続させ、憲法改正と自主防衛・核武装へ向かうのか」あるいは「政権交代を実現し、憲法の平和主義を守り、外交による安全保障を目指すのか」の選択であると思います。それが総選挙の本当の争点です。


参照資料:
"Trump's threat to 'destroy' North Korea is wrong: Merkel" Reuters, September 21st 2017

"Chancellor Angela Merkel: There is a clear disagreement with Trump on North Korea" DW, September 20th 2017