【ドイツ再生可能エネルギー法に関する学会報告について】
去る11月下旬、東京で開催された学会で、ドイツ再生可能エネルギー法に関し、京都大学教授、大阪大学教授を始めとする大学教授のみなさん、研究機関のみなさんに、研究発表をさせていただく機会がありました。以下、その内容について、ご報告させて下さい。
ご存知の通り、ドイツは環境先進国ですが、ドイツにおいて再生可能エネルギーの急速な普及拡大が実現した背景には、ドイツ再生可能エネルギー法の存在があります。

2000年から施行されたドイツ再生可能エネルギー法は、(1)固定価格買取制度と(2)再生可能エネルギー電力の優先接続・優先買取を、柱としています。
ドイツでは、固定価格買取制度の下、太陽光発電、風力発電、バイオマスなど、再生可能エネルギーによって発電された電力は、発電が開始された時点の固定買取価格で、20年間買い取られることとなっており、事業者が将来にわたる採算性を計算し、再生可能エネルギーへ積極的に投資することを可能としました。
また、ドイツでは、再生可能エネルギー電力に関し、優先接続・優先買取が法律上義務付けられており、電力需要に対し電力供給が過剰になった場合、抑制されるのは火力発電や原子力発電による電力ということになっています。
固定価格買取制度では、毎年、新規事業者に適用される固定買取価格が引き下げられてきましたが、再生可能エネルギーによって発電しさえすれば、優先的に送電網に接続され、優先的に買い取られることが保証されているため、新規参入する事業者は、適用される固定買取価格の中で利益を出すべく、積極的にコスト削減努力を続けました。
その結果、ドイツでは再生可能エネルギーによる発電コストが急速に低下、火力発電に対し競争力を持つようになり、2014年の再生可能エネルギー法改正によって、各事業者は、送電会社でなく、卸電力市場に直接電力を販売出来るようにまでなりました。
現在、ドイツでは、年間を通じると、33%の電力が再生可能エネルギーによって供給されています。そして、今後、2025年までに44〜45%、2035年までに55〜60%、2050年までに80%の電力を再生可能エネルギーによって供給することが、再生可能エネルギー法によって定められています。

一方、これに対し日本では、ドイツから12年遅れて、2012年から再生可能エネルギー法が施行されました。しかしながら、固定価格買取制度は導入されたものの、再生可能エネルギー電力の優先接続・優先買取については規定されませんでした。
そのため、再生可能エネルギー電力の供給拡大が予想されると、電力会社は、再生可能エネルギー電力の接続抑制や買取抑制を実施し始め、再生可能エネルギーの普及拡大にブレーキがかかっています。
また、たとえ再生可能エネルギーによって発電しても、優先的に送電網に接続され、優先的に買い取られることが保証されていないため、新規参入事業者によるコスト削減努力も十分行われませんでした。たとえば、現在、日本の太陽電池設置コストは、依然としてドイツの2倍です。
私は、日本における再生可能エネルギー普及拡大のため、日本の再生可能エネルギー法においても、再生可能エネルギー電力の優先接続・優先買取を義務付けるべきであると思っています。学会においても、その旨、提言させていただきました。
再生可能エネルギー電力の優先接続・優先買取は、大量電力貯蔵への需要も生み出し、水素電力貯蔵と水素エネルギー革命の起爆剤ともなります。
ドイツでは国民の90%以上が再生可能エネルギーの普及拡大を支持しています。国民のみなさんが再生可能エネルギーの普及拡大を支持することが、日本における再生可能エネルギー法改正と再生可能エネルギー電力の優先接続・優先買取を実現させます。
参照資料:
ドイツ再生可能エネルギー法(2014年改正版)
再生可能エネルギー電力の優先接続については第8条(Section 8)、優先買取については第11条(Section 11)に規定されています。

去る11月下旬、東京で開催された学会で、ドイツ再生可能エネルギー法に関し、京都大学教授、大阪大学教授を始めとする大学教授のみなさん、研究機関のみなさんに、研究発表をさせていただく機会がありました。以下、その内容について、ご報告させて下さい。
ご存知の通り、ドイツは環境先進国ですが、ドイツにおいて再生可能エネルギーの急速な普及拡大が実現した背景には、ドイツ再生可能エネルギー法の存在があります。

2000年から施行されたドイツ再生可能エネルギー法は、(1)固定価格買取制度と(2)再生可能エネルギー電力の優先接続・優先買取を、柱としています。
ドイツでは、固定価格買取制度の下、太陽光発電、風力発電、バイオマスなど、再生可能エネルギーによって発電された電力は、発電が開始された時点の固定買取価格で、20年間買い取られることとなっており、事業者が将来にわたる採算性を計算し、再生可能エネルギーへ積極的に投資することを可能としました。
また、ドイツでは、再生可能エネルギー電力に関し、優先接続・優先買取が法律上義務付けられており、電力需要に対し電力供給が過剰になった場合、抑制されるのは火力発電や原子力発電による電力ということになっています。
固定価格買取制度では、毎年、新規事業者に適用される固定買取価格が引き下げられてきましたが、再生可能エネルギーによって発電しさえすれば、優先的に送電網に接続され、優先的に買い取られることが保証されているため、新規参入する事業者は、適用される固定買取価格の中で利益を出すべく、積極的にコスト削減努力を続けました。
その結果、ドイツでは再生可能エネルギーによる発電コストが急速に低下、火力発電に対し競争力を持つようになり、2014年の再生可能エネルギー法改正によって、各事業者は、送電会社でなく、卸電力市場に直接電力を販売出来るようにまでなりました。
現在、ドイツでは、年間を通じると、33%の電力が再生可能エネルギーによって供給されています。そして、今後、2025年までに44〜45%、2035年までに55〜60%、2050年までに80%の電力を再生可能エネルギーによって供給することが、再生可能エネルギー法によって定められています。

一方、これに対し日本では、ドイツから12年遅れて、2012年から再生可能エネルギー法が施行されました。しかしながら、固定価格買取制度は導入されたものの、再生可能エネルギー電力の優先接続・優先買取については規定されませんでした。
そのため、再生可能エネルギー電力の供給拡大が予想されると、電力会社は、再生可能エネルギー電力の接続抑制や買取抑制を実施し始め、再生可能エネルギーの普及拡大にブレーキがかかっています。
また、たとえ再生可能エネルギーによって発電しても、優先的に送電網に接続され、優先的に買い取られることが保証されていないため、新規参入事業者によるコスト削減努力も十分行われませんでした。たとえば、現在、日本の太陽電池設置コストは、依然としてドイツの2倍です。
私は、日本における再生可能エネルギー普及拡大のため、日本の再生可能エネルギー法においても、再生可能エネルギー電力の優先接続・優先買取を義務付けるべきであると思っています。学会においても、その旨、提言させていただきました。
再生可能エネルギー電力の優先接続・優先買取は、大量電力貯蔵への需要も生み出し、水素電力貯蔵と水素エネルギー革命の起爆剤ともなります。
ドイツでは国民の90%以上が再生可能エネルギーの普及拡大を支持しています。国民のみなさんが再生可能エネルギーの普及拡大を支持することが、日本における再生可能エネルギー法改正と再生可能エネルギー電力の優先接続・優先買取を実現させます。
参照資料:
ドイツ再生可能エネルギー法(2014年改正版)
再生可能エネルギー電力の優先接続については第8条(Section 8)、優先買取については第11条(Section 11)に規定されています。
