【日本記者クラブにおける党首討論の不公正な運営について】

6月21日に日本記者クラブで行われた各党党首討論を視聴しました。しかしながら、後半の第2部は、ほとんどの時間を安倍首相の発言が占めるという異常事態であり、記者クラブによる、あまりにも不公正な運営に強い憤りを感じました。まさに、メディアが自ら権力に迎合する、ソフトファシズムと言って良い状況であったと思います。

民進党の岡田代表が、「これでは安倍政権の一方的な宣伝の場になっているだけである。」と指摘されましたが、本当にその通りであると思います。

公示日以降の党首討論が24日の1回しか行われないこと、投票の2週間前に1回も党首討論が行われないこと、を含め、きわめて非民主主義的な状況であると思います。

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政権とメディアの癒着問題の根本的解決のためには、政権とメディア経営陣との癒着を禁止する倫理規範の確立、記者クラブ制度の廃止、内閣から独立してメディアを監督する独立行政委員会の設置、広告代理店の政治活動の規制、等々を行う必要があると思いますが、まず何よりも、公の場で政治家のみなさんがはっきりと指摘をすることが大切であると思います。政治家のみなさんが異常事態を甘受していたら全く変わらないと思います。はっきりと言うことが大切であると思います。公の場で政治家が指摘すれば、国民が見ています。国民からの批判を恐れて、メディアもむちゃくちゃなことを行いにくくなります。

なお、そのあとに行われた日本テレビでの党首討論、テレビ朝日での党首討論では、比較的公平に、各党に発言の機会が与えられていたと思います。

現在のメディアの自粛傾向・政権との癒着に関しては、気付いていない国民のみなさんも多くいらっしゃると思います。党首討論の運営の不公正さの問題および党首討論開催の回数の少なさ・開催時期の問題について、各党が、その問題点を指摘し、是正を求める公式の声明を発表するとともに、各国会議員が声をあげていくべきであると思います。

なお、テレビ朝日での党首討論の最後に、もし投票日2週間前は安倍首相が参加しないというのであれば、安倍首相抜きで討論を行うという提案がありましたが、全くその通りであると思います。言い換えますと、党首討論でなく、各党代表討論を行えば良いわけです。自民党は欠席するなり、あるいは、副総裁、幹事長、または政調会長を代理で出席させれば良いわけです。民主主義の下、メディアは、国民の知る権利に奉仕するため、政府から独立して機能すべきです。ぜひ実施をお願いしたいと思います。