【普天間基地移設問題および台湾危機について】
先日、ワシントンDCにある外交専門の大学院で、日本政治と安全保障を専門とされている教授とお話することが出来ましたので、要約をご報告させて下さい。
1. 普天間基地移設問題について
普天間基地移設に関しましては、現在、辺野古への移設を強行する政府とこれ以上の基地建設を認めたくない沖縄県とが対立していますが、この問題解決のための、教授のご提案は次の通りです。
(1) 現在、普天間基地に配備されているアメリカ海兵隊のオスプレイを、岩国基地へ配備する。
(2) 現在、厚木基地を利用しているアメリカ海軍の艦載機(岩国基地へ移転の予定)を三沢基地へ移転する。
(3) 沖縄の既存基地(たとえば、キャンプ・シュワブ)内にヘリポートを建設する。
(4) 普天間基地は、有事のときに使えるように整備しておく。普段は使用しない。
教授のご提案では、海兵隊は、岩国基地に常駐するのでなく、グアム島、フィリピン、オーストラリア等々を含む基地・施設をローテーションしながら、アジア地域に駐留するということになります。
ちなみに、フィリピン憲法は、外国軍の基地を原則として禁止していますが、先般、フィリピン最高裁は、フィリピンが、アメリカ軍の限定的な軍用施設を受け入れることを内容とする「US-Philippines Enhanced Defense Cooperation Agreement」を合憲としました。


なお、アメリカ軍は、日本から海兵隊がいなくなると中国に間違ったメッセージを伝えることになる、海兵隊を日本に駐留させるべきだ、との立場ですが、上記の案では、このアメリカ軍の要請を満たすことが出来ます。
また、日本政府も、アメリカ軍に日本に居て欲しいという立場ですが、上記の案では、この日本政府の要請も満たすことが出来ます。
2. 台湾危機について
教授と、台湾危機の可能性についてもお話しました。教授の予想では、今月20日台湾大統領に就任する蔡英文氏は、「ひとつの中国」を認めた1992年台中合意を認めないだろうとのことでした。ただし、「ふたつの中国」とまでは言わず、また、台湾が国家であるとか台湾政府とか、はっきりとは言わないだろうとのことでした。現状維持に努めるだろうとのことでした。

さらに、仮に台湾が独立の方向に進んでも、中国はそれを阻止するために軍事的手段は使わないのではないか、とのことでした。台湾を外交的に孤立させたり、経済的に締めつけたりするだけではないか、とのことでした。
なお、仮に蔡英文氏が、台湾大統領として日本に来て、日本が歓迎したら、1972年以来の日中関係は崩壊するだろうとのことでした。
3. 日本の政局について
逆に、教授から、ダブル選挙の可能性は?、というご質問をいただきました。
私から、自民党内からは、熊本地震を受けて、ダブル選挙はすべきでないという声が聞こえてくるが、それは撹乱作戦である可能性がある、今後経済が悪化する見通しであること、時間が経てば経つほど野党間の選挙協力が進むことを考えると、安倍首相は早い時期に選挙をしたいため、ダブル選挙の可能性は高い、とお伝えしました。
また、教授から、今夏の参議院選挙と憲法改正の見通しは?、というご質問をいただきました。
私から、安倍首相は憲法改正を明言している、自民党の憲法改正案に基づいて改正しようとするだろうとお伝えしました。現在、日本のメディアに対する政府のコントロールが進んでおり、政府に批判的なキャスターやコメンテーターが排除されてしまったため、朝鮮半島や台湾の情勢が緊迫すれば、政府が憲法改正の必要性を強調し、メディアは政府の主張をそのまま流すだろう、とお伝えしました。
ちなみに、民進党の岡田代表は、自民党の憲法案は駄目、安倍政権での憲法改正も駄目と主張している、とお伝えしました。
教授から、公明党は9条改正に賛成するのか?、というご質問をいただきました。
私から、もし公明党が賛成しない場合、自民党は、大阪維新の会などの協力を得ようとするだろう、残念ながら民進党の中にも改憲論者はいる、ということをお伝えしました。
先日、ワシントンDCにある外交専門の大学院で、日本政治と安全保障を専門とされている教授とお話することが出来ましたので、要約をご報告させて下さい。
1. 普天間基地移設問題について
普天間基地移設に関しましては、現在、辺野古への移設を強行する政府とこれ以上の基地建設を認めたくない沖縄県とが対立していますが、この問題解決のための、教授のご提案は次の通りです。
(1) 現在、普天間基地に配備されているアメリカ海兵隊のオスプレイを、岩国基地へ配備する。
(2) 現在、厚木基地を利用しているアメリカ海軍の艦載機(岩国基地へ移転の予定)を三沢基地へ移転する。
(3) 沖縄の既存基地(たとえば、キャンプ・シュワブ)内にヘリポートを建設する。
(4) 普天間基地は、有事のときに使えるように整備しておく。普段は使用しない。
教授のご提案では、海兵隊は、岩国基地に常駐するのでなく、グアム島、フィリピン、オーストラリア等々を含む基地・施設をローテーションしながら、アジア地域に駐留するということになります。
ちなみに、フィリピン憲法は、外国軍の基地を原則として禁止していますが、先般、フィリピン最高裁は、フィリピンが、アメリカ軍の限定的な軍用施設を受け入れることを内容とする「US-Philippines Enhanced Defense Cooperation Agreement」を合憲としました。


なお、アメリカ軍は、日本から海兵隊がいなくなると中国に間違ったメッセージを伝えることになる、海兵隊を日本に駐留させるべきだ、との立場ですが、上記の案では、このアメリカ軍の要請を満たすことが出来ます。
また、日本政府も、アメリカ軍に日本に居て欲しいという立場ですが、上記の案では、この日本政府の要請も満たすことが出来ます。
2. 台湾危機について
教授と、台湾危機の可能性についてもお話しました。教授の予想では、今月20日台湾大統領に就任する蔡英文氏は、「ひとつの中国」を認めた1992年台中合意を認めないだろうとのことでした。ただし、「ふたつの中国」とまでは言わず、また、台湾が国家であるとか台湾政府とか、はっきりとは言わないだろうとのことでした。現状維持に努めるだろうとのことでした。

さらに、仮に台湾が独立の方向に進んでも、中国はそれを阻止するために軍事的手段は使わないのではないか、とのことでした。台湾を外交的に孤立させたり、経済的に締めつけたりするだけではないか、とのことでした。
なお、仮に蔡英文氏が、台湾大統領として日本に来て、日本が歓迎したら、1972年以来の日中関係は崩壊するだろうとのことでした。
3. 日本の政局について
逆に、教授から、ダブル選挙の可能性は?、というご質問をいただきました。
私から、自民党内からは、熊本地震を受けて、ダブル選挙はすべきでないという声が聞こえてくるが、それは撹乱作戦である可能性がある、今後経済が悪化する見通しであること、時間が経てば経つほど野党間の選挙協力が進むことを考えると、安倍首相は早い時期に選挙をしたいため、ダブル選挙の可能性は高い、とお伝えしました。
また、教授から、今夏の参議院選挙と憲法改正の見通しは?、というご質問をいただきました。
私から、安倍首相は憲法改正を明言している、自民党の憲法改正案に基づいて改正しようとするだろうとお伝えしました。現在、日本のメディアに対する政府のコントロールが進んでおり、政府に批判的なキャスターやコメンテーターが排除されてしまったため、朝鮮半島や台湾の情勢が緊迫すれば、政府が憲法改正の必要性を強調し、メディアは政府の主張をそのまま流すだろう、とお伝えしました。
ちなみに、民進党の岡田代表は、自民党の憲法案は駄目、安倍政権での憲法改正も駄目と主張している、とお伝えしました。
教授から、公明党は9条改正に賛成するのか?、というご質問をいただきました。
私から、もし公明党が賛成しない場合、自民党は、大阪維新の会などの協力を得ようとするだろう、残念ながら民進党の中にも改憲論者はいる、ということをお伝えしました。