【集団的自衛権の本当の姿について】

政府は、3月29日から安保法制を施行することを閣議決定しました。存立危機事態が発生したと政府が認定すれば、集団的自衛権の発動が可能となります。

しかしながら、政府も、国会も、メディアも、集団的自衛権の本当の姿を説明しません。それは、ひとつには、国民に真実を伝えたくないためです。もうひとつは、彼ら自身、集団的自衛権をアジアの現実に適用した場合、どうなるのか、十分理解していないためです。

そこで、集団的自衛権の本当の姿をご説明させて下さい。

集団的自衛権が発動される本命は、台湾危機です。そこで、台湾危機のシナリオに沿って、ご説明させて下さい。

photo.JPG



(1) 中国は、台湾を中国の領土だと思っています。
photo.JPG




(2) しかしながら、今年1月の台湾総統選挙で、独立派の蔡英文・民進党主席が勝利しました。5月に新総統に就任します。そこで、仮に台湾が独立宣言をすると・・・
photo.JPG




(3) 中国は、台湾の独立を阻止するため、必ず軍事介入します。中国は、国内法の「反国家分裂法」により、仮に台湾が独立宣言をした場合、軍事力を使って、これを阻止すると定めています。
photo.JPG




(4) 台湾は、当然、反撃します。台中間に軍事紛争が発生します。台湾危機が発生します。
photo.JPG




(5) 台湾は、アメリカに支援を求めます。アメリカは、国内法の「台湾関係法」により、台湾が攻撃を受けた場合、台湾を防衛することになっています。
photo.JPG




(6) さらに、台湾とアメリカは、日本に対し、支援を要請します。
photo.JPG




(7) 安保法制に基づき、日本は、台湾とアメリカを支援するため、集団的自衛権を発動、中国を攻撃することになります。集団的自衛権を発動した場合、日本が攻撃を受けていなくても、日本は、中国を攻撃することになります。しかしながら、事態は、そこでとどまりません・・・
photo.JPG




(8) 日本から攻撃を受けた中国は、当然、日本に対し反撃を加えます。
photo.JPG




(9) 中国は、すでに、日本本土を射程に収める約1000発の弾道ミサイル・巡航ミサイルを配備しています。中国は、米軍および自衛隊の作戦行動を阻止するため、日本本土にある、在日米軍基地、自衛隊基地を攻撃します。嘉手納基地、横田基地、横須賀基地、佐世保基地、岩国基地、等々が攻撃されます。日本本土が戦場となります。日本に配備されている迎撃ミサイルの命中率は、わずか10%とも言われています。多くの中国の弾道ミサイル・巡航ミサイルが着弾します。なお、その際、アメリカ軍の主力は、中国の弾道ミサイル・巡航ミサイルの射程範囲外へ退避しています。
photo.JPG


この記事をお読みになっているみなさんの中には、戦争は起こらない、まして、日本本土が攻撃されることはない、と思っている方がいらっしゃるかも知れません。

かつて太平洋戦争が始まったときも、ほとんどの日本人は、わずか数年後に日本全土が焼け野原になるとは思っていませんでした。

戦争は、各国の富裕層が戦争を起こした方が得だと判断したとき、起こります。

戦争を阻止するのは、各国市民・国民の、民主主義的パワーです。