1944年10月のレイテ沖海戦以降、日本海軍は、特別攻撃隊、いわゆる神風特攻隊を編成、爆弾を搭載した飛行機による敵艦への体当たり攻撃を実施しました。

海軍の第1航空艦隊司令長官であった大西瀧治郎中将や、第5航空艦隊司令長官であった宇垣纏(まとめ)中将の主導により進められた作戦でした。

まだ20歳になるかならないかのパイロットが、神風特攻隊員として出撃しました。陸軍機による特攻隊も含めると、終戦までの間に、数千名のパイロットが特攻隊員として出撃しました。

アメリカ軍の圧倒的な戦力に対抗し、爆弾の命中精度を上げ、国体を護持するためには、この作戦しかないというのが、当時の軍指導部の論理でした。

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しかしながら、本来のPROFESSIONAL SOLDIERであれば、「この戦争が終わったあと、日本を復興させるという大切な仕事がある。そのために若い人たちに生き延びてもらう必要がある。自分が軍の指導的地位にある間は、特攻は絶対にさせない。」と主張すべきであったと思います。

人間を物として扱って戦争を続けるよりも、人間を人間として扱って降伏すべきでした。

国家安全保障の目的は、平和を維持し、国民の生命・権利・自由を守ることです。

民主的な文民統制(CIVILIAN CONTROL OVER THE MILITARY)の制度を整備し、先の大戦の愚行を二度と繰り返さない「仕組み」を確立すること、それが本当の意味の総括であり、戦争で亡くなったみなさんの鎮魂となると思います。


註記: 上記の見解は、私個人のものであり、いかなる団体あるいは政党の見解をも反映するものではありません。