【外交を優先した国家安全保障政策の推進」および「情報開示をともなう民主的文民統制の確立」について】
7月1日に集団的自衛権容認が閣議決定され、7月14日、15日に国会における集団的自衛権に関する集中審議が予定される中、野党民主党の元外務大臣、前外務大臣、元外務副大臣のみなさんが、今週、アメリカを訪問され、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領の下、国家安全保障担当大統領補佐官を務めたブレント・スコウクロフト氏等と会われるそうです。
民主党が「外交を優先した国家安全保障政策の推進」へ進みつつあることの表れかも知れません。
スコウクロフト元大統領補佐官は、いわゆる地政学(GEOPOLITICS)の権威といって良い方だと思います。ジョージ・H・W・ブッシュ政権(1989年 - 1993年)には、コリン・パウエル統合参謀本部議長、ジェームズ・ベーカー国務長官など、非常に優れた人材が集結しましたが、スコウクロフト補佐官は、湾岸戦争を始めとする国家安全保障政策の取りまとめにあたり、きわめて優れた手腕を発揮しました。
スコウクロフト氏は、その後も、コンサルタントの仕事を続けられ、アメリカの国家安全保障の分野で、大きな影響力をお持ちです。変化しつつあるアジアの安全保障環境についても、高い識見をお持ちのことと思います。
ただ、21世紀の新しい状況を前提とした場合、日米関係には、ジョージ・H・W・ブッシュ政権当時と比較し、大きな変化があると思います。現在の日本人は、1980年代、1990年代前半の日本人と全く違います。現在の日本人のみなさんは、情報量が格段に豊富です。また、ねじれ国会を経て、政権交代も実現させました。民主主義的な成熟度が高まっています。
ところが、現与党政権の集団的自衛権容認の進め方に現れているように、日米間の国家安全保障についての物事の進め方は、いまだに冷戦時代の1950年代、60年代の手法のままのような気がします。情報開示を極力避け、国民から見えないところで調整が進められているような気がします。これでは、日本国民のみなさんの理解を得ることは不可能です。もっと、オープンで、民主主義的な進め方が必要だと思います。
たとえば、アメリカ上院・下院の軍事外交委員会から超党派の議員団を編成して日本へ来ていただき、アメリカの財政状況および安全保障の見通しについて、率直に日本の与野党の議員と懇談し、日本国民のみなさんにメッセージを伝えていただくということも考えられると思います。それがきっかけとなり、国家安全保障に関する国民的議論が進むように思われます。
与野党を問わず、日米間のより緊密で豊富な議員交流が大切だと思います。日本でも、アメリカでも、議員のみなさんは、政府と比べ、より国民に近い位置にいるからです。
政府は、すでに決まった政策を執行するための機関です。そのため、上意下達のタテ型の組織になっています。これに対し、立法府は、政策形成のための機関です。様々な立場・利害を代表する議員が、対等の立場で議論し、より良い政策を形成して行きます。
長期的な国家安全保障政策を練り上げ、主権者である国民のみなさんの理解を得るためには、国会において、様々な観点から、客観的で、オープンな議論を行なうことが必要です。「情報開示をともなう民主的文民統制の確立」が必要です。
註記: 上記の見解は、私個人のものであり、いかなる団体あるいは政党の見解をも反映するものではありません。
7月1日に集団的自衛権容認が閣議決定され、7月14日、15日に国会における集団的自衛権に関する集中審議が予定される中、野党民主党の元外務大臣、前外務大臣、元外務副大臣のみなさんが、今週、アメリカを訪問され、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領の下、国家安全保障担当大統領補佐官を務めたブレント・スコウクロフト氏等と会われるそうです。
民主党が「外交を優先した国家安全保障政策の推進」へ進みつつあることの表れかも知れません。
スコウクロフト元大統領補佐官は、いわゆる地政学(GEOPOLITICS)の権威といって良い方だと思います。ジョージ・H・W・ブッシュ政権(1989年 - 1993年)には、コリン・パウエル統合参謀本部議長、ジェームズ・ベーカー国務長官など、非常に優れた人材が集結しましたが、スコウクロフト補佐官は、湾岸戦争を始めとする国家安全保障政策の取りまとめにあたり、きわめて優れた手腕を発揮しました。
スコウクロフト氏は、その後も、コンサルタントの仕事を続けられ、アメリカの国家安全保障の分野で、大きな影響力をお持ちです。変化しつつあるアジアの安全保障環境についても、高い識見をお持ちのことと思います。
ただ、21世紀の新しい状況を前提とした場合、日米関係には、ジョージ・H・W・ブッシュ政権当時と比較し、大きな変化があると思います。現在の日本人は、1980年代、1990年代前半の日本人と全く違います。現在の日本人のみなさんは、情報量が格段に豊富です。また、ねじれ国会を経て、政権交代も実現させました。民主主義的な成熟度が高まっています。
ところが、現与党政権の集団的自衛権容認の進め方に現れているように、日米間の国家安全保障についての物事の進め方は、いまだに冷戦時代の1950年代、60年代の手法のままのような気がします。情報開示を極力避け、国民から見えないところで調整が進められているような気がします。これでは、日本国民のみなさんの理解を得ることは不可能です。もっと、オープンで、民主主義的な進め方が必要だと思います。
たとえば、アメリカ上院・下院の軍事外交委員会から超党派の議員団を編成して日本へ来ていただき、アメリカの財政状況および安全保障の見通しについて、率直に日本の与野党の議員と懇談し、日本国民のみなさんにメッセージを伝えていただくということも考えられると思います。それがきっかけとなり、国家安全保障に関する国民的議論が進むように思われます。
与野党を問わず、日米間のより緊密で豊富な議員交流が大切だと思います。日本でも、アメリカでも、議員のみなさんは、政府と比べ、より国民に近い位置にいるからです。
政府は、すでに決まった政策を執行するための機関です。そのため、上意下達のタテ型の組織になっています。これに対し、立法府は、政策形成のための機関です。様々な立場・利害を代表する議員が、対等の立場で議論し、より良い政策を形成して行きます。
長期的な国家安全保障政策を練り上げ、主権者である国民のみなさんの理解を得るためには、国会において、様々な観点から、客観的で、オープンな議論を行なうことが必要です。「情報開示をともなう民主的文民統制の確立」が必要です。
註記: 上記の見解は、私個人のものであり、いかなる団体あるいは政党の見解をも反映するものではありません。