夜と聞くとたいていはあまり良いイメージを持ちません。暗くて見えないから「気味が悪い」「ダーク」「黄泉の世界」「怖い」「闇に引きづり込まれる」

 

世界的にも神話や映画や物語で語られる夜は明るさから引き裂かれた死や恐怖の象徴として君臨しています。

※セドナの夜に怖さはない 

Photo By Koh Tanaka

 

特に日本では森や山など自然そのものが国土の気質として妖気漂うイメージがあり、ましてや夜ともなると異次元の闇の魔王が支配する黄泉の世界そのものとしてイメージされているのではないでしょうか?

 

ですが、ここセドナでは…いや、セドナだけでなく砂漠気候のアメリカ西部エリアでは、夜は全く違うイメージ…いや全く違う体験をもたらせてくれます。

それは深みのあるやさしさや安心感、と表現すればよいのか…ともかく、心地が良い。

 

世界的に多くの神話や説話に登場する死や恐怖の象徴としての夜、でもなかには夜に現れる月のイメージから人を安眠にいざなうやさしい神や傷ついた兵士を癒す力、太陽を連れて来る力強さをイメージするケースもあり、セドナエリアはまさにこちらのイメージと言ってよいと思います。

 

ただ、このエリアは月が綺麗だから月のエネルギーでやさしいのではなく、スピリットたちが分かりやすい点、スピリットという抽象的なものに眉を顰めるのであれば、砂漠気候を含む風土がその優しさをもたらすと言えます。

 

今回はまったく科学的根拠のある話ではなくてすいません。

 

これはずいぶん昔のブログ記事「ヤマトの神とグレートスピリット」でお話ししましたが、日本の国土はスピリットがゆがめられて人々に認識されています。

 

本来、霊的存在はどんな状態であっても「スピリット」という地球そのものでとても無垢でピュアな存在です。それを宮崎駿氏は映画「となりのトトロ」で「まっくろくろすけ」で表現し、ジェームスキャメロン氏は映画アバターで「ウッドスプライト(WoodsSprite)」で表現しているもので、本来そこに恐怖は存在しません。そこに恐怖を与えているのは「生きている人間の恐怖心の投影」だからです。

※Image はネットからお借りしました

 

それと日本の場合は国土に強烈に存在するヤマトの神々。彼らが威厳を持ち鎮座するのでこのスピリットの色が人が生来から持つ潜在的な恐怖心をプリズムとして屈曲させ妖気を帯びた妖怪や幽霊が出来上がります。アイルランドや東欧にはゴブリンといういたずら好きな妖精がいますが、日本ほどの妖気を帯びないのでスピリットに近い妖精の扱いになるのです。

 

だからこそ、日本の土地に根付く妖気を身体で知る日本に住む皆さんに体験して欲しいと思っています。それは日本で育ち日本の山の妖気をいやというほど知っている私が経験したからこそご紹介できるのです。

 

そのためには夕日が沈む少し前からがベストなタイミングです。

日中の陽射しが嘘のようにひんやりとしてくる日没後の夕暮れが空には美しいグラデーションの色合いを惜しみなく広げます。一方で岩肌はその暑さの余韻がまだまだ残り、翳りゆく一日を見送るようでもあり、引き留めておくようでもあり、自然の情景がせめぎ合うまどろみの時間。そこに中立である人間がなにを思うわけでもなくじっと座っています。

 

気がつくと空はブルーに変わります。この時間の海の底のようなブルーの色あいは砂漠気候の特徴です。この空のブルーは東側のフロリダはもちろん西のサンディエゴでも見ることは出来ない、砂漠気候の荒野、独特の色合いです。

 

そのブルーが1時間ほどたゆたったあとに現れるのが、漆黒に浮かぶ星たちです。月が無く、方角によってはこの時すでに天の川(Milky Way)が空の端から端まで貫く姿を見ることができます。

そして、虫たちの鳴き声が一斉に始まる頃あたたかな岩肌も徐々に熱が冷め、夜という存在が全身を包み込んできます。

 

そして、辺りに立ち込める夜の匂い。その匂いは肌からも感じることができるんです。耳をすませば遠くに聞こえるかすかな雷鳴が虫の鳴き声にかき消され、その奥にあるしっとりとした「野生の静けさ」が浮き彫りになる…。

 

気がつくと自分が浮かんでいるんじゃないかと思うほど星は近く、こころや全身が軽い。

周囲は文字通り漆黒の闇、場所によっては目の前にかざす手の平も見えないほどの暗さです。

だから、自分の肉体もその闇に完全に溶け込みんでいる。これは自分が無くなってしまうものではなく…そうですね…仏教の空に似た感覚です。

 

身体の感覚が研ぎ澄まされていればスピリットを感じることが出来ます…。

その心地良さと解放感、安心感。恐怖が喜びに置き変わって行く瞬間瞬間が確認できる。

そんなことを体験できるのが、荒野で過ごす闇です。日本のように森林で囲まれた森の中で包まれて過ごす夜とは全く違う体験です。開けっぴろげでそれでいて大地にしっかりと支えられている。

だからこそ、日本に住む方々と共有したいと願っています。

状況が整ったらぜひ体験しに来てください。

 

セドナナイトウォークメニュー増やしました

https://www.thedeepearth.com/nightwalk