(※掲載画像は、公式Twitterからのダイレトリンクです)

『雪女と蟹を食う』は、テレビ東京系列の「ドラマ24」枠にて放送されたテレビドラマです。

物語は、冤罪により人生に絶望した北(演:重岡大毅)が、自殺を何度も試みますが、なかなか決断できません。
自暴自棄になった北は、図書館で偶然知り合った雪枝彩女(演:入山法子)邸に押し入り、彩女の結婚指輪を強奪しようとします。
彩女は、北が蟹を食べてから死にたいと聞き、一緒に北海道で蟹を食べ、後に二人で死のうと約束します。

文学・恋愛・サスペンス・ロードムービー的な作品で、すごく良かったです。
私は、深夜帯のドラマではなく、ゴールデンタイムでも良かったと思っています。



まず、この物語に悪い人が出てこない点で、一部、北(本名は小日向陽平)の冤罪を信じてあげられない家族や元恋人は、ちょっと残念だったけど。札幌で出合ったマリア(演:久保田紗友)さんや稚内のウェディングプランナーの人達。観ていて気持ちが良いです。

そして、太宰治わ宮沢賢治の名だたる作品が、登場人物の人生になぞらえたり、心の葛藤や迷いを表現する物として登場するので、本好きには、良いエッセンスになっていたと思います。

"夏休み"と称した北と彩女の『旅』とその道中で出合った人達の死への思いや悲壮感、太宰治や宮沢賢治から受ける死へのイメージが、絶妙に交差していた作品だと感じました。

物語の最後には言及しませんが、良い終わり方だと思ったし、何か救われたように感じました。