『Ein Fisch, der auf dem Rücken schwimmt』3★
英題:『A Fish Swimming Upside Down』
部門:パースペクティヴ・ドイツ映画(@Colosseum 1)
監督:エリザ・ペトコワ
製作国:ドイツ
https://www.berlinale.de/en/programme/programme/detail.html?film_id=202003553
同居を始めた父親の恋人アンドレアに溺れていく青年を描いたストーリー。
初めはアンドレアに最愛の父親を奪われたようで疎ましく思っていたが、どんどん彼女に魅力に惹かれ今後は父親を疎ましく思う青二才の息子。ついには父親に手に掛けようとまで血迷い、最後は自ら命を絶つという悲劇的な顛末。どうにも既視感が拭えず、さらに何かが足りない。俳優か展開か。
ただ一つ面白い伏線があった。息子が若い女性のメイドを泥棒に仕立ててまでクビにしたのは、てっきりアンドレアとの逢引を彼女に見られ、父親に告げ口されるのを恐れたからだと思っていた。しかし最後に真実が分かった。なんとメイドまでもアンドレアに惹かれていたのだ。それにいち早く気づいた息子は、恋敵を減らすためメイドをクビにした。この些細なネタバラシはとても面白い。
アンドレア役のドイツ人俳優 Nina Schwabe には名状しがたい不思議な魅力があった。そしてこの直後に観たドイツ映画『Exil』にも出演していた。2本続けて異なる役所で観るといささか混乱する。ドイツでは人気俳優なのかな。