以前、偶然カフェのとなりで聞いていた解雇の現場のことを書かせていただきましたが、最近雇用情勢の悪化で労働問題が増え、労働基準監督署に不服を申し立てる労働者が増えているそうです。
厚生労働省によると、2009年の労基署への申告件数は42,472件。
理由別でみると、
1位 賃金不払い 34,597件
2位 不当な解雇 8,869件
という順番です。
1位の賃金不払いについてはまだ不服申し立てがわかりやすいのですが、色々複雑なのが【不当な解雇】ではないでしょうか。
なにせ従業員も人、企業も実は人なので、どうしても意見が食い違う場合があります。
企業側の解雇が有効と認められるためには、
1、法律で解雇が禁止されている事項に該当しないこと
2、解雇予告を行うこと
3、就業規則の解雇事由に該当すること
4、解雇に正当な理由があること
5、解雇の手順を守ること
このような条件が必要です。
つまり、この条件を満たさない場合は【不当な解雇】となります。
・社会的身分、信条、国籍を理由とする解雇
・女性であることを理由とする解雇
といった「法律で解雇が禁止されている事項」に触れる場合はまだわかりやすいですが、
4、解雇に正当な理由があること
といった、どうとでも解釈できるような条件。
正当な理由とは、どんな理由でしょうか。
例えば、
企業機密の漏洩
窃盗、横領、傷害等
長期の無断欠勤
取引先からの金品の受取
といった事件性のある理由は、会社を守るために必要な正当な解雇理由として成立するでしょう。
難しいのは、
体調(精神)の問題
勤務成績の不良
職務の怠慢
協調性の欠如
こういった「程度」が測りにくいもの。双方の温度感が生まれやすいもの。
そして人の主観が入りやすいものは、第三者でも判断がしにくい場合もあるのではないでしょうか。
この文章を書くために、ためしに不当解雇についての各掲示板の書き込みを覗いてみると、まあ色んな言い分がこれでもか!というくらい溢れています。
そして、そのほとんどに(当たり前ですが)主観性を感じます。
機会があれば労働基準監督署の担当の方々に、これらに対する調査、判断、そして対応について、色々お話をうかがってみたいなと思います。
そこにはきっと、報道や数値では現せない「人と仕事」のリアルがあるように思います。

