第271回 「オンライン講座、試行錯誤」
8月21日の日経産業新聞へ寄稿した記事を紹介させていただきます。
コロナ禍の影響で、多くの大学でキャンパスが閉鎖しました。
当社の「21期イントレプレナー塾」をオンラインに切り替え、スタッフの頑張りで7月3日に無事スタートしました。
私も試行錯誤しながらオンライン講義に取り組み、
チャットやスラック・挙手・アンケート投票機能駆使した2ウェーコミュニケーションは利点も多く、
デジタル世代の塾生は、オンラインでの会話に慣れており手応えを感じました。
少人数のブレイクアウトルームでは、移動時間や、机、椅子がなくても、
バーチャルな部屋割りでのワークショップが展開でき、場の制約がなくなったことで、
国内外の何処にいてもオンラインによって参加できます。
オンライン版イントレプレナー塾を通じて、ニューノーマルを地域企業の社内起業が誕生する機会に繋げ、
少しでも貢献できればと期待しています!!
「オンライン講座、試行錯誤」
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、多くの大学がキャンパスを閉鎖した。
当社が運営している企業内の起業家育成塾でもある「イントレプレナー塾」も開催方法の見直しを余儀なくされ、オンラインへの切り替えを決めた。
私は試行錯誤しながらオンライン講義に取り組むなかで、利点が多いことに気づいた。
チャット、挙手、アンケート投票といった機能を使えば、塾生の反応をリアルタイムに映し出すことができる。
2ウェーコミュニケーションが実現するのだ。
デジタル世代の塾生はオンラインでの会話に慣れており、講義がこれまでより活発になった面があった。
「ブレイクアウトルーム」という機能では少人数のバーチャルな部屋割りができる。
机や椅子がなくても、グループに分かれてワークショップが展開できる。
また、講義を収録することで参加できなかった塾生も動画で学ぶことができ、繰り返し利用できるメリットもある。
そして何よりも「場」に参加する制約がなくなり、国内外どこからでも参加できる。
定着すれば日本全国で社内起業の機会が増え、地方創生に貢献できる。
一方、課題も明確になった。講師のオンライン講義の経験値や塾生の通信環境など個人に起因する問題がある。
さらに塾生一人ひとりと目線を合わせ、近づきながら対話ができないことで、意思疎通が十分図れない。
講師や塾生同士のホットな会話の場は消失してしまう。インタラクティブなコミュニケーションが難しいのだ。
こうした課題に対し、当社では講師陣と徹底したシミュレーションを繰り返したほか、
塾生の通信環境の改善を細かくフォローした。
「全員参加型」をコンセプトとし、5分程度の早いテンポで質問・回答、アンケート投票などを行い、
緊張感を持ちつつ互いの関心をひき付け合う工夫をした。
オンラインで集中可能な時間は2時間30分と想定。
講義時間は短くし回数を増やした。ワークショップでの発言を高められるようにしたほか、
多様なコミュニケーションの仕組みや機能を導入した。
7月3日、「オンライン版イントレプレナー塾」がスタートした。
開講日「起業家とは時代を洞察し『何のために存在するのか』考えながら、
自ら事業を創り出し、退路を断つ覚悟でしつこくやり遂げる人だ」と塾生にメッセージを送った。
イントレプレナー塾は今年で21期目となり、企業からの参加者が累計1,400人を超え、多くの事業が誕生している。
コロナ禍で産業の構造変化が加速し、新たなビジネス機会が生まれている。
いつの時代も、新しい試みはたった一人の「熱狂」から始まる。
来るべきニューノーマルを起業家が誕生する絶好の機会にしていきたい。