第169回 「起業の成功の法則」 | インキュベーター社長日記 | インターウォーズ株式会社 吉井信隆のブログ

第169回 「起業の成功の法則」

 11月18日、関東ニュービジネス協議会の企業内新規事業委員会で、フリュー株式会社の田坂社長から講演をいただきました。


 フリュー社はオムロンから企業内起業し、MBOした成長企業であり、田坂社長は「企業発ベンチャー協議会」の代表理事も務めておられます。


オムロンの中で、30年間一貫して新規事業の立ち上げに従事し、30億を超える利益を上げる事業会社を育てたイントレプレナーの語る内容だけに、極めて興味深く共感した内容でした。


 お話し頂いた一部を紹介させて頂きます。


 田坂社長の企業内起業の成功起点は、事業領域の選定に1年費やし、成功確率の高い市場を客観的に設定することにありました。


 そして、その市場の中で、独占している企業がないこと、自分達の身の丈にあったマーケットであること、魅力と適社度の視点から、参入を決めたとのことでした。


 次に、誰が起業リーダーになるかが、成功要因の大きな要素であり、新規事業リーダーは、持って生まれた資質(このことを「天然もの」と表現)によるところが大きいとのことでした。


 社長がなすべき仕事は、新規事業に対する決意、決断、覚梧を持ち、起業リーダーに対し、会社の支援体制や仕組み作りをすることであるとの内容でした。


 「どんな事業にも必ず衰退期は訪れる。


新規事業なくして企業の成長なし」と、講演を締めて頂き、参加頂いた皆さんから、大きな反響を呼ぶ講演でした。


 講演を聞き終え、田坂社長は「自然体で、素直な経営者」といった印象が残りました。


 社会人になって立場あるポジションに付くと、なかなか人の意見を素直に受け入れられないものですが、成功している経営者は共通して、人の批判やアドバイスや市場の声に耳を傾けます。


 事業の成否は、常に客観的です。自らの希望的観測に向けてがむしゃらに努力しても、マーケットはまったく反応しないことがあります。それは、客観的でないからです。


 若者の心を捉えたフリュー社の成長の歩みを伺っていて、様々な人々の声を取り入れ、商品やサービスを開発してきた根底には、「素直な心」で取り組んできた田坂社長の経営スタイルを感じました。


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