第100回 「相性」 | インキュベーター社長日記 | インターウォーズ株式会社 吉井信隆のブログ

第100回 「相性」

昨年、158社の企業が上場した。


上場企業の顔ぶれは、多彩だが、共通していることがある。


社員と経営陣が一体化したモチベーションの高い人間集団であり、採用に向けては、全社一丸となって対応している。


最近、経営者から、「今、成長チャンスだがなかなかいい人が採用できない。採用してもすぐに辞めてしまう。採用コストが高くて、苦労している。」との話を聞く。


私は、「御社にとっていい人とは、どんな人材像なのか?そして、その求めている人材像が、わかり易い言語として全社で共有化されていますか?」と質問している。


管理系、営業系、技術系なのか、年齢や性別、職種、スキル、これまでのキャリアは、履歴書を見れば誰でも理解できる。


 しかし、その人の内面にある思いや、価値観・人生観は、データでは解らない。


入社して、会社をリードしていく活躍をする人を迎えるには、まず、経営者の理念に共感できるか、その会社に流れている風土や働き方に、しっくり馴染めるかが大切だ。


その為には、経営陣が、どんな会社を創りたいのか、数値的な売り上げや時価総額だけでなく、経営が最も大切にしている「こだわりソフト」を伝えること。


当社では、入社前も入社後も折に触れ、伝えるようにしている。


将来の会社の夢やビジネスモデル、待遇をはじめ、設備等表面だけをみて、勝手な想像をして入社してしまうと、入ってから、そこに流れる空気や価値観に違和感を覚えたり、働く先輩や経営陣人が、輝いて見えなくなる。


昨今の採用環境は、バブル期を上回る売り手市場なので、企業はよく見せようと化粧を厚くしている傾向にある。


採用とは、結婚するような、互いに選び合う見合いの場だ。


双方の根底からの理解と共感がなければ短期に離婚してしまうように、退職となる。


企業の競争優位は、一丸となったパワーにあるが、うわべでなく本音の集団企業は、理念・風土・仕事観・イズムに共感したひとり一人が、仲間たちを迎えるために、共有した言葉で、今と明日を伝えている。


「相性」は、モチベーションに繋がり、人と企業の成長の原動力となる大切な「要」だ。 





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