第107回 「起業社会」
「Web2.0」という言葉が、日常のビジネス会話によく出てくる。
定義は、人によって様々だ。
「個人ユーザーが中心となって、誰でも利用できるインターネット上のサービスを使って、すべてのものが繋がってくるようなもの」。だと、解釈している。
利用者同士の,person to parson として、不特定多数の個人間で直接やり取りを行うネットの利用状態のイメージで、誰もが発信能力を持ち、その気になれば放送局もどきにもなれる。いよいよ、新たなフェーズに入ってきた。
アマゾンドットコムが、自社のサイトのデーターへのアクセスを広く一般にオープンし、新たなサービスが創生されている。
新たな事業機会が生まれ、Web2.0のビジネスチャンスの窓が開いてきた。
NBCの新規事業開発委員会でのセミナーに、オールアバウトの江幡社長を迎え、「企業内起業」をテーマに講演をいただいた。
オールアバウト社は、リクルートと米国のabout.comと江幡さんの出資により、スタートしたジョイントベンチャーだ。
5年で公開し、現在、460人の専門ガイドの方々が案内する総合情報サイトに、月間ユニークユーザー数1500万人が訪れ、情報サイトとして育っている。
江幡さんの語った「企業内での起業」の成功のポイントとして、「本体に、ものを言える資本政策を考えてのジョイベン形態、株式公開をスタート時から考え、ストックオプションを取り入れた人事制度、ボードメンバーにおける支援者の存在、自身が退路を断ち独立、立ち上げ人材の確保」そして、「志をもって、自分のやる事業を信じきって、やりきった」との言葉印象に残った。
本体から切り離し、外部の資本を入れ、別の組織で事業化し、起業する「カーブアウト手法」の実例は、これからの起業のあり方の一つだ。