第115回 「MONET」 | インキュベーター社長日記 | インターウォーズ株式会社 吉井信隆のブログ

第115回 「MONET」

話題になっている六本木新国立美術館に出かけた。


クロード・モネの作品が、世界から一堂に集まっており、昨年も倉敷の大原美術館で出遭った「摘みわら」を始め、「睡蓮」「日傘の女性」「雪の朝」「サン・ラザール」「ポプラ並木」「ルーアン大聖堂」といった、生涯の代表的な名作が揃い、モネ好きな私には、濃厚な時空を過ごすことができた。


モネの絵は人の心を、穏やかな気持ちにさせてくれる。モネは、「光の画家」といわれている。


時間や季節と共に移りゆく光と色彩の変化と、一瞬の水・空気・煙・霧を描く画家は、他に見当たらない。


独自の唯一無二の画家である。


デジタル社会では、すべてがスピードアップし、しかもグローバル化、IT化が正しいといった価値観が、脅迫観念のように浸透している。


美術館で観る絵は、長い時間をかけて、描いた作品ばかりである。


一枚一枚の絵には、時計では計ることのできない作者の時間(思索)があり、完成してからは、多くの人々に見つめられて時間(歴史)が、重なってくる。


そのせいか、見終えた後は、密度の濃い時空を旅したような、得した気分で、いささかの疲労感と、心地よさを感じる。


 先月、書籍を出版させていただいた。自らの内面にある想いを、200ページの中に打ち込み言語を通じて表現してゆくことは、その言葉に様々な思索を巡らすことになる。


これまで歩んできた経験から気づいた価値感の表現であり、自己の人生観との対面でもあり、社会との呼吸を感じる時間でもあった。


自己の表現は、企業経営においては、構想や決断の基準に現れてくる。


時空を超えても、色あせないアートなビジネスモデルの表現が、人の心に届き輝きつづけるのだと思う。





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