第27回 創業期の人間開放力を・・
ついこの前まで話題の中心だった公開企業が、現在厳しい批判のステージにおかれているケースが後をたたない・・なぜだろうか?
企業のスタートアップ期は、顧客の満足に向かって常にメンバーのエネルギーが集中し、それぞれ自分がやるしかない、という気持ちでがんばる。
ノウハウが確立されてないから知恵を集めトライエンドエラーで、全員が夢と希望をもって未来に賭ける……こんな状態が創業期の企業に共通する。
ここに企業の環境変化への適応と成長の原動力の核心があり、会社と自分と共に仕事する相手への「可能性信頼」がその姿だ。
ところが、成長企業の多くはこの可能性信頼を、量的な成長や能率のために犠牲にしてしまう。
仕組みや風土化できずに風化させてしまうケースが多い。
起業から企業へとの成長ドラマを、みごとに演じつづけている力強い事業基盤を築いた会社には、「個」のマインド、創業風土、が変わることなく持続されている。
起業時に生まれるエネルギー、知恵や一体感は、大きな優位性となる。
私は、この目に見えないソフトを、それぞれの可能性ある企業にカンフル剤として活用するよう努めている。
最近ますます活力あるグローバルダイニング社や、ミスミ社などをみていると、会社はプラットホームとして、企業内起業家を支援する風土、仕組み、成果報酬による制度など、独自の施策を駆使して起業時のトータルなソフトを維持している。
いよいよ二一世紀の扉が開く、人間開放による「可能性信頼」を築いた企業がこれからの企業像だと思う。