第26回 企業内起業はなぜ成功しないか
今の事業の延長に先が無いので、新規事業に取り組んでいるが、「苦労ばかり多く、成功しなく、断念している」との声をよく聞く。
新しい事業は、「知らないことが多い事業」だ。
要素は
第一に、顧客、販売方法、ルート、競合、などの市場。
第二に、製品、製造方法、技術、生産コスト、など製品、サービス
タイプは
1、多角型新規事業(住友金属鉱山のキンコ―ズ、などのケース)
2、市場開発型新規事業(ホシザキ電気のレストラン食器洗事業)
3、技術開発型新規事業(オリンパスの医学検査事業)
それぞれの戦略が、ある。
大企業経営ノウハウと起業のノウハウは全く違う。
新規事業が生まれるケースは、経営層から発案されるか、ラインから提案されるか、(外から提案、持ち込まれるか)だ。
立ち上げ成功要因は、起業家の選択にある。
時として起業と対極をなすような人に、依頼することがある。。
社内の既存事業との人材も含めた、資源獲得競争になるが、稼ぎ手としての責任者の発言力に屈してしまうことがある。
トップが責任を持って、推進する為の支援をしなければ、成功はおぼつかない。
誰が、審査、判断によって意思決定がなされているかが大切だ。
過日、某企業の審査委員として、役員会議に参加した際、ITを「イット」と発言された創業時からの役員の方に出会った。
人格豊かな立派な実績の持ち主の実力者の方だ。
サイバー社会での新規事業会議は、市場や技術、製品に通じていない多くの幹部のおりなす独特の中で意思決定が行われていた。
社内関連部門の支援能力、意識の不足もある。
新規を任された個人の「つて」に頼って開発をしている俗人的な動きになっているケースも多い。
新規事業開発室、事業開発部とかいったセクションの多くは、事務的な役割しか果たしていなく、社内の新規事業を支援する専門組織になっていない企業が多い。
本来の役割は、社内外に対する政治的な活動も含めた、仲介コーディト、教育、メンターとして、事業計画の作成支援、資源の獲得支援、また、成長期においては内部支援システム支援といった専門のインキュベート機能が必要だ。
大企業全体のカルチャー、風土の中での管理・運営であるだけに、DOする時間より、報告時間に多くを費やしてしまっていいる
甘え意識と人事制度や報酬なども差はあるものの、平等主義の共存となっており、割に合わない制度が多い。
こういった障害や問題点が、企業内での起業を行うことの失敗の共通要因となっている。