第13回 起業家が誕生する会社
起業家が育つ組織には、共通の特徴的な風土やメカニズムが、存在している。
リクルートでは、社内起業提案が、年間200件~300件近く提案され、実際に起業され、多くの事業や関連会社が育っている。
PC制度といった、20代30代のマネージャーが、自らの判断で仕事を進め、リーダーシップを発揮する機会の場がある。
マイクロソフトは、ベンチャーの起業家を受け入れ、育てている。
"とがった""くせ"のある人材はなかなか社内の中では認められず、塩漬けにしてしまう組織が多い。
起業マインド旺盛な人材は、企業の中で育たないのでなく、育っていない風土だからだ。
異質な"とがった"人材をバックアップする組織、出島のようなインキュベート組織を柔軟に活用した企業に、社内起業家が育っている。
また、起業家達には、助言者だったり、精神的な支援をしている〝メンター〟が、必ずいる。
過日、伊藤忠テクノサイエンスの上場並びに新社長就任パーティで、アメリカのビジネスマンから、「シリコンバレーで有名な日本人の一人は、今日の会社の創業者、佐武さんだ。」という話しを聞いた。
サンマイクロシステム社のビル・ジョイ氏をはじめ、シスコsystems、オラクルのトップ達と、佐武さんは強い信頼ネットワークを築いている。
伊藤忠本体を見ることなく、社外を見つめ、当時まだ、半信半疑といわれた業界のシリコンバレーの若きリーダー達と、異能な人材達とつき合ってきた成果だ。
いつの時代も、起業家といわれるリーダー達が、新時代を創る。