今回ははままるさんの人生の初体験についてのお話。
意味深な出だしから始まりましたが、
自分の中で
「芽生えたことを認めて」、
それをやることを
「選択」して、
「行動」したら、
こんなに世界が変わるんだと体感した
はままるさん人生最初の出来事について、です。
10年くらい前、
はままるさんが
アパレルから外資系保険会社に転職してしばらく経った頃のこと、
会社にはミーティングのある月木曜日以外は出勤しなくて良い状態だったので、
それを良いことに出勤日以外はほぼ好きなことをして生活する、ということをされていました。
アパレル時代のご自身の中での目標、
21歳で店長、
全国個人売上1位、
を達成して燃え尽きていたところ、
ヘッドハンティングされたそうです。
その頃のはままるさんにとって、
初めて出逢う
「格好良いエリートな大人」
から声をかけられます。
この人がメンターなんじゃないかと思え、
保険業界のことも何も知らず、転職。
でもいざ働きはじめてみると、
これまでいた世界と全く違って、
ドライで殺伐としていて、
仲間同士で助け合うとかが皆無な雰囲気に
「自分には合わないなー」と感じていたそうです。
そんな中、ある人の紹介で内観講座というものに参加されます。
そこでは自分の内面と向き合うということをかなりしっかりやるところでした。
自分の内面から出てきた、「芽生え」をすくい上げてまず「認める」。
「降参する」と言ってもいいかもしれない。
次にその芽生えを尊重して実際に「行動する」
そのトレーニングをしていた期間だったそうです。
たまたまその時、芽生えてしまった思いは
「お父さんに今の気持ちを伝えたい(謝りたい、ありがとうを言いたい)」でした。
はままるさんはお父さんと昔から仲が悪かったわけじゃないのですが、
ご両親の離婚をきっかけにお父さんと生活することになったものの
「お母さんと別れたお父さん」
とどうやって接していいかわからなくなった。
必要最低限の会話があるけど心は閉じている、
そんな状態で高校時代を過ごされます。
高校卒業後は大学に進学するつもりでいたはままるさんに
お父さんが3者面談でいきなり
「進学はない、就職しろ」
と一方的に言い放って進学させてもらえなかったことも更に溝が深まった原因でした。
高校卒業後は
お父さんとは別れて住み始めたので既に5年くらいまともに顔を合わせていない状況でした。
ずっと、お父さんに対してわだかまりがありつつ、それがまるでないように、気にしないように生活していたそうです。
それが内観講座で親世代を含む色んな年代の色んな立場の人の悩みや思いを聞いているうちに、
事実に対する見方が一つだけではないと思うようになった。
「これまで自分が被害者の立ち位置でいたけれど、これは本当に真実なのか?別の視点から見た事実もあるんじゃないか?」
と思えてきたそうです。
そして、高校時代、お父さんが作ってくれていたお弁当のことを思い出します。
1日も欠かさず。寝坊した時でさえわざわざお父さんがコンビニでお昼ご飯を買って持たせてくれたこと。
その事実に向き合った時
「自分の気持ちを伝えたい」
(謝りたい、ありがとうを言いたい)
という思いが出てきてしまったそうです。
「でもまず、その思いを認めるということが難しかったんです。
なぜなら、認めるということはこれまでの父を恨んでいた自分、被害者という立ち位置でいた自分を否定してしまうことになるからです。
更に行動するということは、父の気持ちを知るということです。自分勝手な解釈から離れるということです。」
「そして実際、行動に移すまで随分とまごまごしました。」
つまり、お父さんに会いに行くなんて
「できない」
という言葉を使って、
その「できない」ためのそれらしい言い訳は沢山あって、やらなくて済むならやりたくはない。
でも、自分の心に芽生えてしまったものを無視するわけにいかない。
実際はもしかしたら、数年前からお父さんと向き合いたかったのかもしれない、ただ見ないようにして、気付かないふりをしてきた部分だったのかもしれない。
「いつまでまごまごしてるの?」
という内観講座の仲間からの言葉に背中を押される形で、
とにかくこの思いを伝えないと、
という気持ちだけで、
高速で約3時間の道を走り実家に向かいます。
実家の横の空き地にしばらく車を停めて、
40分くらいまごまごして、ようやく心を決めて実家の玄関に足を運びます。
もちろん事前に約束もしていないからお父さんが在宅しているかもわからない状況だったそうです。
「実家の玄関は鍵がかかっていなくて、そのまま入っていき『お父さん』と呼んでみたら奥から父が出てきました。父の新しい奥さんもいました。内心、父と二人だけでなくて助かったと思いました。」
「今日はどうしてもお父さんに言いたいことがあって」
と切り出した時、かなり驚いた顔をされたそうです。お父さんからすると殆ど連絡をとっていなかった息子がいきなり現れてどうしたんだ、という感じだったのかもしれません。
リビングに通された後、
まず
「高校時代毎日、1日も欠かさずお弁当を作ってくれて本当にありがとう」
という言葉が出ました。
そして、大学進学したかったのにできず悔しい思いをしたこと、でも同時に育ててくれたことへの感謝もその時の自分の偽りのない言葉で伝えたそうです。
お父さんがその時何を言われたか正直あまり覚えておられないようなのですが、進学させてやりたかったけど、経済的事情でそれができなかったこと、とにかくお父さんがその時の精一杯をはままるさんに与えてくれていたということが感覚として伝わってきたそうです。
その日は、気恥ずかしい気持ちもあって、お父さんに泊まっていくか?と言われたもののすぐにまた高速3時間車を走らせて自宅に戻ります。
それ以降は1年に1回くらいの割合で帰省してお父さんと会うようになったそうです。
「口下手なので会って沢山話するわけではないんですが、時々ハムとかプリンとかを送ってきてくれたり、短文のメールがきたりしますねー。」
お互いに心にかけている関係なのだなとお話を聞きながら思いました。
「この体験って全然スマートに語れるものじゃないんですけど、僕にとってのかなり大きな人生の転機でしたね。
あれがなければ、今こんな晴れやかな気持ちではいられないと思うんですよね。」
と。
自分の心で芽生えた素直な気持ちをそのまま伝えるということが、
こんなにも心を晴れやかにする。
はままるさんにとって、「自分に正直に生きる」基礎になった出来事だったそうです。
「人はいかに本当の望みに蓋をして、それを全く気付かないふりをして生きているか、
たとえ望みに気付いても、いろんな理由をつけて「できない」ことにしてしまっているか
こんなに物も情報もあふれているけど、本当に欲しいものを我慢して生きているひとは意外に多いんじゃないかなーと思うんですよね」
特に人間関係において、
〇〇に気持ちを伝えたい、
ごめんなさい、
ありがとうを言いたい、
という望みは、
たとえばハワイ旅行に行きたいとか
高級ホテルに泊まりたいという望みよりも、
心の奥底にしまわれて
自分でも気付かないようにしていることが多いんじゃないかな、と。
心に芽生えたものを認めること、
芽生えてしまったことに降参すること、
芽生えてしまったことをやるのに正当な理由など必要ないということ、
ただやってみること。
それが人生を加速させるのだ。
とお話を聞いて感じました。
はままるさん、素敵なお話をありがとうございました😊

