「いつ死んでも悔いのないように、お金は使いなさい」とは、今は亡き母の言葉です。



明日のお料理サロンの準備をしつつ、母の言葉のように「いずれ人生を終える日が来たら、願わくば桜の花を眺めながら旅立ちたいわ」と、ひとりごと。


この季節には、桜。

今夜は「ひとり夜桜見物」。爆笑爆笑爆笑



桜の花って、こんなに良い匂いがするのねぇ。ラブラブラブ



母が青春時代を過ごした昭和21年、日本政府はデノミを実施した。

新円切り替えと預金封鎖で、全国民が使えるお金を大幅に制限したインフレ対策。びっくりびっくりびっくり

母の結婚費用として貯めてあった、それなりの預金は瞬く間に価値を下げ、たった1足の下駄しか買えなかったという。

成人し仕事を始めた頃の私に、母がいつも諭した言葉。

「カズちゃん! お金というものは魔物よ。あればあるほど、もっともっと欲しい。

私の青春はデノミで下駄1足だった。

食べたいものや、したい事を我慢してお金を貯めても、もしかしたら下駄1足(靴1足)しか買えない時代が再び来るかも知れないわ。

お金はそんな風に無くなるものだけど、知恵や知識や経験や技術は、誰にも取られないからね。
一生続けられる仕事をするのよ。

そしてどんな時にも、勉強しなさいね。本や新聞を毎日読みなさい。

おいしい料理をたくさん食べなさい。あなたの職業には、それが1番大切よ。

旅をすることが世間を広くするから、どこにでも行きなさい」と。

そんな時代を生き抜いた母は、我慢強く、明るく、達観的だった。


明日のお料理サロンで使うエビを、せっせと煮ていると母の言葉がふいに頭をよぎる。



ホタルイカの目とカラス口を取りながら、一体これから世界はどうなって行くのだろうか。。。と、不安に苛まれる。





山菜天ぷらの下準備をしつつ、たとえ世界がどんな状況になろうとも、母のように我慢強く明るく達観して生きようと心に誓う。